文系高校生の熱い夏!! 俳句甲子園って何だ?
毎年8月、愛媛県松山市で行われている全国高等学校俳句選手権大会・通称「俳句甲子園」という大会をご存じだろうか? 全国から高校生たちが5人1チームで集まり、俳句の良し悪しと、その俳句を題材に鑑賞(ディベート)の腕を競う大会だ。文系高校生たちが、自分の俳句と自分のディベートをぶつけ合う姿はまるで、スポーツ競技さながらの熱狂がある。
この俳句甲子園の象徴とも言えるチームが、東京の開成高校。言わずと知れた国内有数の進学校だが、この大会では実に6度の優勝回数を誇る。正に俳句甲子園の絶対王者だ。ディベート技術はもちろんのこと、俳句の質も大会随一。当然、他の高校は「打倒開成!」を合言葉に、松山に集結する。そして今年は史上初の3連覇を目指しての大会となった。
開成は予選グループを全勝で突破。次の決勝トーナメント1回戦で、過去に優勝経験のある、地元勢の松山中央高校との対戦となったが、接戦の末辛くも勝利を収める。その後は、決勝トーナメント2回戦・京都の洛南高校、準決勝・三重の高田高校に危なげなく勝利し、当然のように決勝戦に駒を進めた。
決勝戦、開成高校の相手は、地元の松山東高校。松山東高校といえば、正岡子規や高浜虚子など多くの俳人を輩出している名門であり、俳句甲子園でも屈指の強豪高校である。サッカーのW杯で例えるならば、強豪のブラジル(開成)とサッカー発祥の地、イングランド(松山東)が決勝の舞台で当たるような感じだ。その松山東だが、実は11年前の大会以来、優勝経験はない。そして、11年前に松山東が優勝した時も、決勝の相手は開成だったのだ。
開成の3連覇は目前だった……。しかし、松山東が地元の意地、名門の意地を見せて改正の3連覇を阻止し、見事に11年ぶりの優勝を飾った。
開成が史上初の3連覇を逃し、11年ぶりに地元の名門・松山東が優勝を飾り、しかも11年前の決勝と同じ対戦カード……実にさまざな要素がからんだ、決勝戦となったが「この松山東の優勝は、今年で15年目を迎える俳句甲子園の『歴史』を象徴するものだと思う」と、大会関係者は語る。
来年で16年目をむかえる俳句甲子園。来年の夏は、松山でどんな熱線が繰り広げられるのだろうか。 <取材・文・撮影/日刊SPA!取材班>
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