更新日:2017年11月27日 23:25

不況と戦う自動車カメラマンの愛車を拝見

カメラマンに必要なものといえばカメラ関係の機材とクルマ。編集者からどんな無茶な注文がくるかわからないので、機材はいつもフルセットで現場入りが基本です。特に大変なのが自動車カメラマンで、箱根などの峠からサーキットまで、とにかく長距離移動が多いためクルマは酷使されまくり。そんな彼らの愛車を見せてもらいました MJブロンディ=文 Text by Shimizu Souichi 【前編】はコチラ⇒ https://nikkan-spa.jp/343688 ◆F1カメラマンから“流し撮り職人”に転身し、生き残りを模索中 【池之平昌信氏】 かつてF1カメラマンとして世界を転戦。現在は流し撮り職人を自称するが生活はきわめて厳しい。主な寄稿媒体/『週刊SPA!』、『REVSPEED』、『MONOMAX』など。http://www.ikenohira.com/を見てね!  F1グランプリを追って、華やかな生活をしていた時期もあったけど、リーマン・ショックで収入は激減。前は400万円のランエボだったのが、今は75万円の日産キャラバンです。  子供(小1の娘)のお友達にお金持ちがいまして、豪華キャンピングカーを所有。「うちもキャンピングカーにして!」という熱望に応え、「よし、パパが作っちゃる!」と言って買ったのですが、機材満載で移動倉庫状態。「うちのクルマはキャンピングカー」と信じているわが子がフビンで……(泣)。  田舎に帰ることも考えましたが、生き残りを期して『流し撮りの本』を出版。『タモリ倶楽部』にも出演するなど、なんとかやってます。
フェラーリ

【自信作カット】MJブロンディのフェラーリを流し撮り! どうだ!

◆不況もなんの新車のボルボを購入した若手のエース 【柏田芳敬氏】 高級ビジュアル系雑誌を中心に活躍する、若手自動車カメラマン。主な寄稿媒体/『エンジン』、『ゲーテ』、『UOMO』、『ルボラン』、『MENS CLUB』など。お仕事のご依頼はhttp://www.kashiwadayoshitaka.com/まで!  23歳の時に中古の850を買って以来、クルマはずっとボルボひと筋。これで3台目です。850は23万km、V70は29万km乗りました。次は何にしようか迷って、ベンツの中古ディーゼルワゴンを見に行ったりもしたのですが、どうもしっくりこなくて、やっぱりボルボのV60にしました。ボルボのサービス工場が自宅から歩いて行ける距離で、V70は10年で100回も入庫させたくらいメンテナンスに気を使っていたので、やっぱりボルボかなと思いまして。  ちょっと狭いけど走りは最高です。新車っていいですね。  クルマを買いましたけど、来年の今頃はちゃんとカメラマンとしてご飯を食べられているか、常に危機感を持ってます。
CAR GRAPHIC

【自信作カット】映画のワンシーンみたいで気に入ってます(『CAR GRAPHIC』より)

◆自動車から料理・建物カメラマンへ軸足移動に成功 【茂呂幸正氏】 以前はクルマの仕事が中心だったが、現在その比率は3割以下に。主な寄稿媒体/『ベストカー』、『オートックワン』、『Get Navi』、『ゲーテ』、『カーセンサーEDGE』、『レクサスマガジン』、『Goo』、『宝島』、『KAZI』など  前は5台連続でレガシィツーリングワゴンに乗ってました。ステーションワゴンで、走りがよくて、そこそこ値段が安いとなると、どうしてもレガシィということになりまして。  このベンツのEクラスワゴンは、7年前、3年落ちの中古を400万円で買いました。買った時8000km、今17万kmですけど、大きな故障は1回もありません。ベンツに乗るとギャラが上がるとか、逆に仕事が減るとかも言われましたけど(笑)、特に影響はありませんでしたねえー。  そろそろ次のクルマを考えていて、燃費を考えてプリウスαにしようかと思ったんですが、納車1年待ちと言われて断念。まだ決めかねてます。
トヨタ86

【自信作カット】トヨタ86を緑バックに撮ってみました!

◆このプロボックス50万km以上走ってます 【古閑章郎氏】 A出版の社員カメラマンだったが、リーマン・ショック後の業績不振でリストラに遭い、3年前、仕方なくフリーに。ただし現在も活躍の舞台は主にA出版。主な寄稿媒体/『アメ車マガジン』、『レッツゴー4WD』など  10年前からこのプロボックスに乗ってます。年間5万kmくらい走るので、今50万kmを超えてます。1基目のエンジンは30万kmでダメになって、今は2基目です。エンジン代は25万円くらいでした。いずれ3基目を載せるか、その時は買い替えるか、まだわかりません。  仕事は減ってます。だいたいリーマン・ショックでクビになったわけですし。昨年の震災でもガクと減りました。ただ僕の場合、最初からギャラが安かったので特に下がってはいません。  クルマの仕事が減った分は、サッカー大会とかマラソン大会の写真を撮る仕事をしています。震災の時はそれもなくなって苦しかったですけど、今はなんとかやってます。
スーパーGT第6戦鈴鹿

【自信作カット】スーパーGT第6戦鈴鹿1000kmで撮りました

― 不況下でも年間数万km超走る自動車カメラマンの愛車を並べてみた!【2】 ―
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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