普段の何げない行動、マナー的にはどこまでセーフでどこからアウトなのか。その境界線を探るべく全国20～40代の男女200人を対象にアンケート調査を行った ◆店側の本音と客側の感覚、交差するマナーの境界線とは…… 　ものを食べる場でのマナー違反は、不愉快さが際立つようだ。最も多い、89.5％の人がNGだと回答したのは席を占領している人だ。確かに、混んでいるときに優雅に1人で4人掛けを占領している人がいたら、イラッとしてしまうものだが「ファミレスほど肩肘張らずに、いろんな用途で使える飲食店はそうそうないからいいのでは」（男性・39歳・金融）や「店員が、『混んできたので』と声をかけたらいいだけ」（女性・27歳・美容師）といった意見もある。 　似たような事例として7位に挙がった「店内で寝てしまう人」も、NGとする人が71％と高い割合だが、「泥酔して寝ちゃうのは、混んでなければ許容範囲。気分よく酔ってほしい」（男性・47歳・焼き鳥店店長）との声もあり、お店側が意外と寛大な場合もあるようだ。 　一方で、6割以上の人がマナー違反だと感じる飲食物の持ち込みに関しては「たとえ水でも持ち込んだものを食べるのは、飲食店ではNGというより失礼」（女性・34歳・不動産）や「持ち込んで食べるだけならまだしも、包装紙やペットボトルなどゴミまで残していく人はどうかと思う」（女性・29歳・飲食店）と否定的な意見が多かった。この項目に関して、大阪ではNGと回答した人が80％と、全国より2割多い結果に。「食べさせてくれるお店で、ほかの店のものを食べるのは絶対アカン」（男性・39歳・建築）とさすが食い倒れの街である。 　全国と大阪の地域差が最も大きかったのは隣席から聞こえてくる下ネタだ。NGと回答したのは、全国81％に対して大阪は62％。「普通の居酒屋なら大目に見て！」（男 性・26歳・会社員）という声もあるが、下ネタ自体を不愉快に感じる人は意外と多い。大声で話さないに越したことはないようだ。 【飲み屋やレストランなど飲食店編】 ・4人掛けを1人で占領してる人（OK 10.5％／NG 89.5％） ・口に手をあてずに咳やくしゃみをする人（OK 11.0％／NG 89.0％） ・店員に対して横柄な態度をとる人（OK 11.5％／NG 88.5％） ・下ネタなど不愉快な話を大声でする人（OK 19.0％／NG 81.0％） ・クチャクチャ音を立てて食べる人（OK 19.0％／NG 81.0％） ・砂糖やナプキンなど備品を持ち帰る（OK 27.0％／NG 73.0％） ・店内で寝てしまう人（OK 29.0％／NG 71.0％） ・ペットボトルの飲料水を持ち込んで飲む人（OK 39.0％／NG 61.0％） ・料理を取る際に自分が使っている箸を使う人（OK 41.0％／NG 59.0％） ・食べ物を残したままにしておく人（OK 53.5％／NG 46.5％） イラスト／石井匡人 ― 公共マナー［OK／NG］の境界線【5】 ―