北ミサイルも迎撃可能!? 世界の最新兵器4つのトレンドとは
―[驚愕! 世界の最新兵器図鑑]―
◆日本も着々と開発している!? 世界の最新兵器4つのトレンド
12月12日、北朝鮮のミサイルが沖縄上空を通過したが、はるか頭上を通過していったため、石垣島などに配置された迎撃システム「PAC-3」の出番はなかった。
そんななか、こうした自衛隊のミサイル防衛システムに対して、「本当に当たるのか?」といった疑問の声はいまだに少なくない。
だが、「それは古い認識」と指摘するのは、全国紙防衛担当記者だ。
「かつて『ミサイル防衛なんて、銃弾をピストルで撃ち落とすようなもので、不可能だ』といった論調がありましたが、ミサイル防衛の精度は格段に上がり、今ではかなりの信頼度が実現されている」
日本のミサイル防衛システムとは別のものだが、「銃弾を撃ち落とす」ことが現実になっていることを如実に示したのが、昨年11月に中東のイスラエル=パレスチナで発生したガザ紛争だ。
軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏が解説する。
「イスラエル軍が配備したアイアンドームという防空システムが驚異的な実績を上げたことが、世界の軍事関係者の注目を集めました。パレスチナ側から撃ち込まれたロケット弾のうち、市街地に着弾すると予測されたものを選別して迎撃ミサイルを発射したのですが、迎撃率が90%に達したのです」
ロケット弾や砲弾、ミサイル等を迎撃するシステムの進歩は目覚ましいのだ。
今や戦争は大きく変わろうとしている。マンガやSFで描かれてきた世界が、着々と現実のものになってきているのだ。
進化が著しい兵器開発で、今のトレンドは4つある。1つは前述した「迎撃システムの進化」だが、次が「ステルス」だ。戦争の主舞台が昔ながらの格闘戦ではなく、遠方同士の索敵・偽装・長射程誘導兵器能力の優劣を競うものになっているため、自分の姿を隠すことが最重要だ。
◆自衛隊ガンダムで夜間戦闘が圧倒的有利に
そのため、米軍のF-22、F-35をはじめ世界主要国はステルス性能を持つ第5世代戦闘機の開発にシフトしている。中国も殲20と殲31を開発中だ。
兵器トレンドで注目されるもうひとつは「無人機」だ。
「アメリカはオバマ政権になってから、無人機をいかに有効に使うかに力を入れています。そこで注目されているのが、1人で複数の無人機を制御ないし自律飛行させる技術です」(ミリタリービジネス研究家・阿部琢磨氏)
複数の無人機を運用するためには、各無人機の操縦が自動化されることが求められる。その先には、完全な自律制御攻撃機も構想されている。特に自律飛行するロボット式の無人戦闘爆撃機は、生身の兵隊が不要な究極の兵器といえるかもしれない。
最後のトレンドは「情報ネットワーク」だ。各司令部、各部隊、各兵士がいかに有効にネットワーク化されるかで、軍隊の戦闘力が大きく変わるのだ。自衛隊の先進個人装備システムを取材したこともある阿部氏はこう語る。
「各隊員がネットワーク化され、情報の共有が格段に向上します。また、各人の位置関係、心拍数、さらには姿勢などまで指揮官が把握できるので、作戦の効率も上がる。特に夜間の戦闘では圧倒的に有利です」
自衛隊ガンダムを装着した兵士がいて、ステルス化されたロボット無人機が飛び交う……SFの世界はそこまで来ている!
【黒井文太郎氏】
’63年、福島県出身。戦場カメラマン、軍事専門誌記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長を経て軍事ジャーナリストに。著書に『北朝鮮に備える軍事学』(講談社)など多数
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