ロボット同士の戦闘で世界の戦場は無人化する
―[驚愕! 世界の最新兵器図鑑]―
日本では、20年も前に開発されたオスプレイに話題が集まっているが、世界ではもっとすごい最新兵器が続々、開発されている。日本人だけが知らない、想像を遥かに超えた近未来の兵器を紹介する!
◆無人ロボット同士の戦闘と、FPS化で戦場はこう変わる!
「今後、世界の戦場は無人化する」と言うのは軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏だ。
「兵器技術の最先端をいくアメリカと先進主要国は、何より自軍の兵員の被害を最小にすることが国民から要求されています。現在の無人兵器の中心は無人偵察機で、遠隔操作による攻撃力もありますが、これからは、より自律的に判断し、行動するロボット型の無人機が開発されていくでしょう」
こうした流れは航空機ばかりでなく、海上や陸上でも進む。
「近未来の戦場では、最前線は無人兵器同士の戦いになっていくでしょう。無人兵器は相手の防御線を突破した後、後方にいる生身の兵隊を攻撃していく。ただし、無人兵器は作戦プログラムを効率的に遂行するため、この過程で不必要な破壊や対人攻撃をする可能性がある。すでに無人機による誤爆は多発していますが、自律型になるとさらに誤爆が増えるでしょう。どこかで生身の人間がコントロールする仕組みが必要で、その開発がもっとも難しい」
一方、無人化以外の兵器トレンドについて、月刊誌『軍事研究』副編集長・大久保義信氏は言う。
「今後の戦場で最も大事になってくるのは、各現場部隊間の情報ネットワーク『C4I』です。これは指揮(コマンド)、統制(コントロール)、通信(コミュニケーション)、コンピュータ、インテリジェンスのことです。この導入によって、部隊間で戦術情報が共有され、有利な態勢でさまざまな戦闘が可能になるのです」
例えばC4I化した戦車部隊は、各車の残燃料や残弾状態、離れた場所にいる味方の動向や敵の部隊の状況を、味方全体で相互に送信・受信してディスプレイ上で見ることができるのだ。
「例えるとイージー・モードでプレイするプレステのバトル・ゲームのようなもの。今後はどの国の軍隊も、このC4I化のレベルで戦力が大きく変わってきます」
無人化に加え、実戦がFPS化するのだ。近未来の戦争は、我々の想像をはるかに超えている。
【大久保義信氏】
’63年、茨城県出身。編集者。コンピュータ技術者を経て、現在は月刊誌『軍事研究』副編集長。映画専門誌で戦争映画の解説も行っている。http://gunken.jp/blog/
【黒井文太郎氏】
’63年、福島県出身。戦場カメラマン、軍事専門誌記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長を経て軍事ジャーナリストに。著書に『北朝鮮に備える軍事学』(講談社)など多数
取材・文/SPA! 最新兵器研究会
― 驚愕! 世界の最新兵器図鑑【3】 ―
この特集の前回記事
ハッシュタグ