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イマドキのAV女優は、なぜアイドル並みに美形なのか?

―[山田ゴメス]―

客船を貸し切って行われた授賞式

 豪華客船上で行われた、毎年恒例の大手アダルトビデオメーカー・SOD(ソフト・オン・デマンド)が主催する「SOD大賞」の授賞式で、久々に大量の“生AV女優”を目の当たりにしたゴメス記者。トップレベルのAV女優たちを目にしてまず思ったのは、「最近のAVのコってホント、みんなきれいだなぁ……」ということだ(まったくもって月並みではあるけれど……)。もし、彼女たちの歩く速度がホンの少しだけ鈍くて、スカウトマンから声をかけられるタイミングがズレたりしていれば、芸能界入りしていても不思議じゃないくらいの上玉揃いといえる。なんで、そんなことになってるんだ?  「恵比寿マスカッツ」としてAV女優が深夜番組とはいえ、地上波に出演したり、「SOD国民的アイドル」などのユニットを組んで各地イベントに参加したり……アダルト業界とアイドル業界の垣根が取っ払われつつある、というのは、たしかに大きな要因のひとつであるに違いない。でもなあ……、それだけじゃあ“AV女優のルックスの飛躍的な棚上げ”の理由を説明し切れていると思えない。物足りない。あまりにありきたりだ。  あらためて授賞式のステージに上がっている女優さんたちの面々をじっくり見分し直してみる。……と、トリ(鳥)顔系のコが多い気がする。トリ顔の女性とは、ボクの独断だと松雪泰子あたりが代表格で、すなわちセクシーをもっとも体現しやすい顔つきであり、逆にいえば、大なり小なりのロリータ臭を不可欠とするアイドルにはもっとも不向きの顔つきでもある。なるほど、そういう経緯でアイドルのスカウティングから漏れた“美形”がセクシー(=アダルト界)に流れてきたのかもしれない。  とはいえ、スカウトマンから声をかけられ、アイドルになるのとAV女優になるのとでは、女性側からすれば、メンタルな面でのハードルの高さが違いすぎるのではないか? でも、それはあくまで我々男側の考え方であって、そこにハードルの段差を感じないタイプの女性は間違いなく実在するのだ。

紗倉まなさん。垂れ目の溶け顔系ロリータフェイスが人気の秘密?

 今回の授賞式でとても印象深かったのが、栄えある賞を授与した女優の皆さんの誰もが、(あくまでゴメス記者の目には)ちょっと複雑そうな表情をしているように見えたこと。最初は、「下手にあちこちで取り上げられすぎて有名になりすぎても、顔バレのリスクが大きくなってくるし……」なんて考えているのでは、とも推測していたのだが、よくよく観察していると、そういう感じでもないのである。  むしろ、「今、ここで何が起こっているのかよくわからない……」といったニュアンスのほうがしっくりくる。この日、唯一取材にこぎつけることができた、2012年の最優秀女優賞に輝いたアイドル系フェイスの逸材・紗倉まなちゃんにかるく話を聞く機会を得た。「今のお気持ちはどんな感じですか?」と感想を聞いてみると、「こんないろんな人たちから写真とかをいっぱい撮ってもらって、すごい賞をいただいたんだなぁと、初めて実感できました」とのお返事だ。  ちなみに、来年の目標は、「がんばって、今年のお仕事を現状維持できれば、と思います」。そう。この「妙な野心のなさ」こそが、イマドキのAV女優のキーワードなのである。<取材・文/山田ゴメス 撮影/スパム>

偉そうなことを書きつつも、現場ではデレデレだったゴメス記者(左)

【山田ゴメス】 1962年大阪府生まれ。マルチライター。エロからファッション、音楽&美術評論まで幅広く精通。西紋啓詞名義でイラストレーターとしても活躍。日刊SPA!ではブログ「50にして未だ不惑に到らず!」(https://nikkan-spa.jp/gomesu)も配信中。現在「解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ系列)(http://www.ntv.co.jp/99answer/)に“クセ者相談員”として出演。『クレヨンしんちゃん たのしいお仕事図鑑』(双葉社)も好評発売中!
大阪府生まれ。年齢非公開。関西大学経済学部卒業後、大手画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッション・学年誌・音楽&美術評論・人工衛星・AI、さらには漫画原作…まで、記名・無記名、紙・ネットを問わず、偏った幅広さを持ち味としながら、草野球をこよなく愛し、年間80試合以上に出場するライター兼コラムニスト&イラストレーターであり、「ネットニュースパトローラー(NNP)」の肩書きも併せ持つ。『「モテ」と「非モテ」の脳科学~おじさんの恋はなぜ報われないのか~』(ワニブックスPLUS新書)ほか、著書は覆面のものを含めると50冊を超える。保有資格は「HSP(ハイリー・センシテブ・パーソンズ)カウンセラー」「温泉マイスター」「合コンマスター」など
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