更新日:2017年10月18日 22:14
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“ポリティカルフリーター”のよこくめ前議員、短期バイトも辞さず

先の衆院選では、多くの現役議員が職を失った。大野伴睦の「猿は木から落ちても猿だが、代議士は選挙に落ちればただの人」という言葉もあるが、当人たちは今、何を見据えているのか ◆「議員は落選してナンボ」と強気の“浪人のプロ” (’12年落選⇒ポリティカルフリーターとして活動・よこくめ勝仁氏)
よこくめ勝仁氏

よこくめ勝仁氏

「正々堂々と戦っての落選。後悔はありません」  無所属で先の衆院選に出馬、菅直人前首相らと戦い自民党候補者に敗れたよこくめ勝仁氏。背水の陣を敷いた背景には、前々回の衆院選で比例復活での当選後、菅内閣不信任決議案に賛成し、党を離れた「不義理」にあった。 「ほかの政党に鞍替えするなど、今回の選挙で生き残る方法はあったでしょうが、信念を曲げることはしたくなかった。まだ自分の理想と力が釣り合わない状態ですが、無所属で活動を続け、選挙を戦うなかで、『一人でもできること』が多くある一方で、『数が必要な場面もあること』も体で理解できたのは、大きな財産になりました」  今回の選挙では後ろ盾のないなかで約4万票を集め、敵対陣営からも予想外の健闘を讃えられた。 「落選後も辻立ちを続けるなかで、多くの励ましの声をいただきました。負けはしましたが、地道に続けてきたことが、実を結びつつあると実感できた選挙でしたね。毎日約50kmを自転車で走り続けて体はボロボロなんですが(笑)」
しもやけ

真冬も毎日50kmの自転車移動を続けて手はしもやけでボロボロに

 今後は政治家、文化人、弁護士と三足の草鞋の「ポリティカルフリーター」(よこくめ氏の造語)として活動していく。 「文化人としては講演活動やテレビへのコメント出演のほか、クイズ番組などにも挑戦したいですね。講演では全国各地を回って、地域の現状を学ぶなど、さまざまなかたちで見聞を広められたらと」  一方で落選後には1000万円の借金が残り、無所属のため党からの資金援助なども一切ない。「短期バイトもやぶさかではない」と話すほど財政面は厳しい。 「でも私は受験浪人、司法浪人のほか、『あいのり』でフラれて恋愛浪人もしている“浪人のプロ”です(笑)。過去を忘れ、ゼロからのスタートと考えれば、何も苦しくありません。また『落選を題材に本を書こう』など、失敗をプラスに捉え、成功者にはできないことにも挑戦したいと思います」  一方で障害福祉等のNPO法人を立ち上げる準備も行い、地域に密着した政治活動も続けていく。 「落選して“タダの人”になるような人は、本来政治家になるべきではない。『よこくめは落選してもあれだけできるんだ』と感心されるような活動をして、議員バッジをまた手にしたい。『あのとき落選してよかった』と思えるような期間にしたいです。『1回生の仕事は2回生になることだ』という議員によく知られた言葉がありますが、私の生き方で『議員は落選を経験してナンボだ』という新しい言葉を作れたらいいなと思います」 【よこくめ勝仁氏】 ’81年、愛知県生まれ。東京大学法学部卒業後、司法試験に合格。’09年の衆院選で初当選を果たす。テレビ番組『あいのり』では“総理”の愛称で呼ばれた http://www.lespros.co.jp/ ― 「タダの人」になった元国会議員のその後【2】 ―
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