関東連合・見立容疑者「目的果たすまで出頭しない」
衆人環視の中で起きた撲殺事件から、8か月が経とうとしている。関東連合による六本木フラワーで起きた藤本亮介さん(当時31歳)の傷害致死事件だ。
事件は、東京の治安を司る東京地検、及び警視庁捜査一課の人事にまで影響しているのだという。
「関東連合メンバーを殺人ではなく傷害致死での起訴、と判断を決めたのは東京地検の公判部長の意向が大きかったようだ。現場の刑事は傷害致死ではなく当然、殺人罪で持って行きたかったのだが、この公判部長は次の東京地検特捜部長に内定しており、ここで無理に殺人罪で起訴して立件できずに膠着状態になると自身の経歴に傷がつくと判断したのではないか。また、事件当初に陣頭指揮を執った捜査一課の管理官は初動の遅れを咎められ、途中降板。春の異動で捜査一課を外され他の課へ移った。彼は実績から行ってどこかの副署長になってもおかしくなかったので、捜査員の間では同情する声も多い」(捜査関係者)
捜査一課は見張り役、実行犯のほとんどを検挙したものの、主犯格の見立真一容疑者はフィリピンに逃亡したまま。無論、見立容疑者にも出頭するよう再三呼びかけたというが、応じなかったのだという。
水面下ではいかなる交渉があったのか? 捜査関係者の語る内幕は生々しい。
「事件直後、中国や韓国、フィリピンなどに国外逃亡したメンバーに出頭を促すため、捜査サイドは1人の男に白羽の矢を立てた。関東連合メンバーが少年時代から慕うAという人物です。彼は暴力団関係者で暴力団を担当する捜査4課が間に入る形で『協力しなければ、別件で身柄を抑えるぞ』と圧力をかけ、渋々海外逃亡組との連絡調整役に仕立てあげられた。結局、多くのメンバーが韓国からほぼ同時期に出頭することになった背景にはAの存在がある」
それでも出頭の呼びかけに応じなかったのが、見立慎一容疑者だ。事件の原因となっている宿敵の暴力団関係者ではなく人違いで藤本さんを殺してしまい、関東連合メンバーの多くが心折れる中で見立容疑者はこう語っていたのだという。
「薄々気づいてはいましたが、Aや関係者への事情聴取を通じて『まだ目的を晴らしていない。それが済むまでは俺は出頭できない』と見立の意向が確認されました。フィリピンに逃げている以上、現地に行ってどうこう、現地警察と連動してどうこうというのは現実的な話ではなく、我々としてはずっと潜伏されると手の出しようがない。完全に膠着状態です」(前出の捜査関係者)
見立容疑者の言う「目的」とは、2008年3月に西新宿で起きた実業家・Kさん殺害の報復とみられる。しかしながら、今回フラワーの一件で多数のメンバーが逮捕され、警視庁からは「準暴力団」と位置づけられた関東連合の行き先は明るくない。それでもこのまま、復讐の連鎖は続くのか――ある関係者に聞くと、行末を危惧してこう語るのだ。
「実は先日も警察に呼ばれて、メンバー同士の人間関係を細かく聞かれました。警察は事態が収拾したとは思っていないみたいです。見立を含めて今回の件で主要メンバーが半分以上、いなくなったのは事実。ただし、見立と同じ年のメンバーで現在、別件で服役している大物幹部がもうすぐ2人出所してくるんです。うち1人は関東でも屈指の武闘派と呼ばれる暴力団で要職を務める男で、彼ら次第ではまた一悶着起きる可能性はある」
見立容疑者の“目的”が果たされないことを祈るばかりだ。 <取材・文/日刊SPA!取材班>
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