共感しづらい専門分野の「あるあるネタ」…墓巡り、クワガタ採集etc.
―[ニッチな世界の[あるある]大全]―
最近ちょっとしたブームの“あるある”本。いろんなジャンルがあるけれど、もう普通の“あるある”じゃ満足できん! てなわけで、さらにニッチな“あるある”が大集合。知らない世界を覗き見しつつ、共感しようにも共感しづらいビミョーな感覚をご堪能あれ!
◆まだまだあるある!共感しづらい[あるある]コレクション
【数学者】
「仕事をしているのに、ハタ目からはボーッとしてるようにしか見られない」(某国立大学数学科准教授Sさん)というのは数学者共通の悩み。
やはり素数が好きな人は多くて、
「傘立てや居酒屋の下駄箱は素数の番号を選ぶ」(同Oさん)、「車で走ってるとき国道の番号が素数だとうれしい」(Sさん)とか。「紙ナプキンや箸袋に思いついた数式を書いたりすることがある。なので、胸ポケットには常にペンが入っている」(同)ってのは、わからなくはないが、「酒の席でルベーグとフーリエ(ともに有名な数学者)のどっちが偉いかという話で盛り上がる」(Oさん)となると一般人には理解不能だ。
【彫師】
横浜でタトゥースタジオを開いている彫師・華流梵天さんによれば、よくある注文は「芸能人と同じ絵柄にしてほしい」というもの。須藤元気、B’zの稲葉浩志、浜崎あゆみ、安室奈美恵あたりが人気とか。
お客さんで大変なのは「痛いのが苦手で動いちゃう方。これは彫師みんなの悩みでしょうね」って、なぜそれで刺青を入れようと思うのか?
「一般的にありがちなミスは、英語のスペルを間違えること。致命的なのでウチでは十分注意してますが」
まさに一生の不覚だもんね。
【クワガタ愛好家】
「繁殖させたはいいが、たくさん生まれすぎて管理しきれなくなる、なんてことは結構ありますね」と語るのはクワガタ愛好会の岩科千秋さん。
採集に出かけると、「木ばっかり見て足元を見ていないので穴にハマってコケる」のもよくある話。「こんなところにこのサイズがいるわけないだろ、というのはたいてい誰かが飼いきれなくなって放虫した養殖もの」で、倒木などにいる幼虫を採る「材割採集」なら確実に天然ものをゲットできるが、「木を蹴ったら裏にハチの巣があってみんなで逃げる」てなこともあるというから大変だ。
【墓マイラー】
墓マイラーとは、著名人の墓巡りを趣味としている人たちのこと。
「雑司ケ谷霊園で夏目漱石のお墓を見てガーンときたのがきっかけ。お墓を見ると、その人の生きざまが身近に感じられます」と言うのは『著名人のお墓を歩く』などの著書がある、あきやまみみこさん。「よく『不謹慎じゃない?』『勝手に他人のお墓参って大丈夫?』と言われますが、霊園やご遺族は意外にウェルカムなんです。ただし、騒がないなどマナーは厳守で」。霊園内では「目印が少ないので迷う」「墓石の字が読めず、目的の墓かわからない」ことも。あと「蚊に刺される」のもお約束とか。
取材・文/石島律子 漆原直行 昌谷大介(A4studio)
― ニッチな世界の[あるある]大全【13】 ―
『著名人のお墓を歩く』 谷中、染井、雑司ヶ谷編 |
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