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「お墓は参る人がいなければただの石」親の墓は子供が主体的に選ぶべき

生活様式や価値観が目まぐるしく変わる現代。10年後、日本の未来はどう変わっているのだろうか? 今回は親の終活について考える。10年後、齢五十も過ぎると親の死が現実味を帯び、親も終活を意識し始めるもの。メディアに躍る終活関連情報では、親を見送るために多大な負担が子にのしかかるかのような論調が多い。だが葬儀社の3代目、佐藤信顕氏はこれを一刀両断する。

親が買った墓は管理する子のもの。維持費が少ない無理なき葬送に

生き残り戦略

「墓を買うのは入る親も大事だが、墓参りする子の都合も重要。戒名も含めて自分が面倒を見るものとして考えたいですね」(佐藤氏)

「親も子も不安にさせている『終活』は、恐怖ワードの商売ネタにすぎません。親世代はたいてい貯金や保険がありますから、それでまかなえる程度の葬儀にすればいいのです。生活保護を受けるほど困窮してれば、役所から葬祭費用を出してもらえます。  それに、墓は今も余っていますから、10年後には値下がりしています。もっと費用を抑えたいなら、寺のロッカーのようなスペースに遺骨を納める納骨堂という手もありますが、これも売れ残っています」(佐藤氏)

親の死について親と語るのは、本当はタブーでもなんでもない!

 そうした子世代の心配を先回りするように、終活に熱心な高齢者の中には、自分の墓の購入を考える者も出てくる。その場合、子はどう関わればいいのか。 「お墓は参る人がいなければただの石。お墓に参り、守る人が墓選びの主人公。なので、親の墓は子供が主体的に選ぶべきです。  親の希望は適度に聞くけど『俺が行きづらい場所は嫌だ』と言っていい。『子が面倒を見ることになる墓を親が買う』という感覚で墓選びをしましょう。  親の死について親と語るのは、本当はタブーでもなんでもないんですよ」  見送る側がいてこその葬祭。身軽な方法を親と共有しておきたい。
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【未来予想】終活に熱心な両親が墓を買い……近い将来の「墓守り」にため息
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