更新日:2013年09月16日 09:09
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田舎での「村八分」は死を意味する

山口放火殺人事件で動機として語られる「村八分」。前回(https://nikkan-spa.jp/496373)まで見てきたように、さまざまな理由で村八分にされ、村で孤立してしまうと、一体どうなるのか? ◆ライフラインが全停止!村八分は死を意味する  近所付き合いがなくなるだけで、生活自体はできるのでは、と思うのは都市生活者の甘い考えだ。 「田舎暮らしで孤立するということは、インフラを失うということ」と言うのは、脱サラ後に陶芸ギャラリーを造るべく長野県の某村に移住したHさん(47歳)。集落の村民と折り合いが合わずに孤立し、自治会にも入らなかったが、今ではそのことを後悔している。 「付近はバスすら通っていないので、完全に自動車依存社会。だけど近くにただひとつある民間車検場の経営者が自治会役員経験者で、ウチの車を車検に出したら『代車はねえよ』と言われた。田舎ではこれが死活問題。代車が出る隣町の店(車で1時間以上)まで車検に行くか、自家用車を2台所有するしかない」  さらに移住後1年がたち、今度は道路問題で苦難に直面した。 「僕の家に続く道が、雨のたびに泥で埋まって、車で入ると抜け出せなくなるんです。何度もJAFを呼びましたが、到着まで2時間待ち。道路を直したくてもできない事情があるんです」  実はこの道、Hさんの自宅に向かう以外はほぼ誰も使わない。村民は組合で定期的に道の草刈りやメンテナンスをするが、村八分にされたHさんだけが使う道はもちろん放置されたまま。道が泥で埋まるのは勾配の加減だが、ほかの村人の道路は全員で泥かきをしているのでHさんのようにはならない。 ― 全国各地[村八分]の恐怖【4】 ―
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