エンタメ

「ブレイクするのに大事なのは“資本よりも工夫”」プロインタビュアー吉田豪氏

ジャンルや露出媒体の多様化で、コンセプトと売り出し方次第で誰でもブレイクする可能性が高くなった昨今。そんな芽のある女性たちの原石について、プロインタビュアーとして、メジャーなシーンからニッチな世界まで、さまざまな業界の栄枯盛衰を目撃してきた吉田豪氏が語る。

◆ニッチな土壌こそ、ブレイクの抜け道がある時代

吉田豪氏

吉田豪氏

「今、ブレイクするために重要なのは“ネットをうまく活用すること”です。大手事務所が大々的にプロモーションをかけてアイドルを売り込もうとしてもどこかで粗が出てしまい、まったく売れないということがよくあります。お金を使うよりも、動画サイトなどのツールをうまく使っている人のほうが、脚光を浴びる世の中になったと感じます。あとは本人のセンス次第。“資本よりも工夫”の時代です」

 また、ネットの活用だけでなく“地道さ”と“接触”がブレイクのカギを握っているという。

「AKB48はどんなに売れても“握手会”という接触イベントを地道に続けています。今はファンとの距離をいかに縮めるか、ということも重要になりました」

 氏によれば、“情激派”として熱狂的なファンを持つシンガー・ソングライターの大森靖子さんが話題になったのも、ネットの口コミだけでなく驚異的な数のライブを行い、地道に活動してきたことが大きいという。

 このようにヒットの仕組みを分析する一方で、ブレイクしすぎるのも考えもの、と吉田氏。

「ブレイクするほど関わる人の数が増えて人件費もかさむし、活動の幅が狭まってしまった人々をたくさん見てきました。人気アイドルの収入を聞いて愕然とすることがよくありますよ。人気が出て搾取されるくらいなら、“そこそこの位置でそこそこ稼げるポジション”を探してほしいです。具体的には、コスプレイヤーでありながらアパレルの仕事も評判がいい、うしじまいい肉さんは理想的だけど、お金がないとよく言っているからそこより少し上くらいの位置ですかね(笑)」

 知恵と工夫次第で、それなりの知名度と稼ぎは誰でも獲得できるということ。一般人にはチャンスの大きい時代だ。 <取材・文/大貫未来(清談社)>

【吉田 豪氏】
プロ書評家&プロインタビュアー、コラムニスト。著書に『人間コク宝サブカル伝』シリーズ(コアマガジン)など

取材・文・撮影/青山由佳 黒田知道 取材・文/朝井麻由美 加藤カジカ 清談社 宮崎智之 撮影/長谷英史 渡辺秀之
― [ニッチ・ブレイク女]を青田買い!【9】 ―

人間コク宝サブカル伝

シリーズ第5弾!今回は、アクの強い文化人のこじらせインタビュー集




おすすめ記事