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ブレイク中のSuchmos(サチモス)「がむしゃらにやってたら、スゲーものができてしまった」

 兄弟や幼なじみ、中高の同級生といった6人の仲間が地元・湘南で結成したバンド・Suchmos(サチモス)。ロック、ジャズ、ファンク、ヒップホップなどメンバー個々が受けてきた影響を昇華させたサウンドは洗練を極め、一部で「和製ジャミロクワイ」と形容されるほどだ。’15年のデビュー以来じわじわと注目を集めてきたが、’16年から楽曲「STAY TUNE」がテレビCMに起用されたことで飛躍的に知名度を上げ、今では“大ブレイク前夜”といった様相を呈している。そんな彼らの胸中を、バンドの看板で、アディダスのジャージがトレードマークのボーカル・YONCEに尋ねた。

Suchmos――新作『THE KIDS』は、歪んだギターが吠えるリード曲「A.G.I.T.」をはじめ、サチモスへの「おしゃれなバンド」という世評を快く裏切る硬派な出来ですね。

YONCE:そもそも結成した時点でそういう下心みたいなものは一切なかったんで「STAY TUNE」がオシャレって言われていることに関しても「あ、そうなんだ」って感じだったんですよ。俺らはまったくそう思ってないけど、まぁこんなに定義が曖昧な言葉もないんで、好きなように言ってくださいっていうのが本音。「あざす!」みたいな(笑)。

――追う側じゃなくて追われる側というか、新作からは「新しい形を作ろう」という意欲を感じました。

YONCE:過去の作品もそうなんですけど、今作はいちばん顕著ですね。6人が個性をぶつけ合って混ぜ合わせて出来上がるのがバンドの理想形だと俺は思うんですけど、それがごく自然に成り立ったのが今作かなと。6人になって最初のアルバム『THE BAY』から1年半の時を経て、分担が完全に6分の1ずつになり、その態勢で制作に臨んだ最初のアルバムなので自ずと個性が爆発するし、それが一体になってバンドの筆跡ができたかなと。ただ、もともと「こういうアルバムを作ろう」ってスタンスではなくて、「とにかくかっこいい曲を作ろう」ってことを目標にやってきた結果なんです。がむしゃらにやっていたら、スゲーものができてしまったという。

――ロック色が強く出ているのも今作の特徴ですよね。それは「サチモス=シティポップの旗手」というイメージを覆そうという意図で?

YONCE:いや、そこは「でっかいステージでぶちかますならロックだろ」っていうシンプルな発想なんですよ。だからネオ・シティポップみたいな文脈へのカウンターの意図はまったくないというか、カウンターっていうならサチモスの存在自体があらゆるものに対するカウンターだと、俺たちは捉えてるので。カウンターっていっても誰かへの悪意じゃなくて「俺らの腹の中には一物あるぞ」っていうことなんですけどね。

――「STAY TUNE」「TOBACCO」「SEAWEED」など、いろんな曲で世の中への怒りや違和感を歌詞で表明していますね。

YONCE:そうですね。不満を抱いたり「それ、大丈夫?」って案じるみたいな。あとは「こうありたいよね」っていう自分たちの理想とか。日常生活のなかで見たり聞いたり感じたことに対して、俺やHSU(ベース)なりの言葉を素直に歌詞にしているだけなんですよ。

※このインタビューは2/7発売の週刊SPA!のインタビュー連載『エッジな人々』から一部抜粋したものです

【Suchmos】
さちもす●神奈川県茅ヶ崎市を地元とするYONCE(ボーカル)、TAIKING(ギター)、TAIHEI(キーボード)、HSU(ベース)、OK(ドラム)、KCEE(DJ)の6人組。’13年結成。バンド名はルイ・アームストロングの愛称「サッチモ」にあやかってつけられた

取材・文/高岡洋詞 撮影/菊竹 規

週刊SPA!2/14・21合併号(2/7発売)

表紙の人/ 島崎遥香

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THE KIDS

タワーレコードの総合アルバムチャートで1位を獲得するほか、オリコン週間アルバムランキング(2月6日付)でも初登場2位を獲得したセカンドアルバム。





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