戦争の陰には必ず「カネと資源の奪い合い」
―[[戦争とカネ]を読み解く世界地図]―
アメリカのイラク空爆、中国のウイグル自治区弾圧、ウクライナの内乱、イスラエルのガザ地上侵攻など、戦争・紛争のニュースが絶えなかった昨今。一部は停戦も進んでいるが、現在も多くの民間人が戦闘に巻き込まれ、殺されていることに変わりはない。こうした争いは宗教や民族対立などが原因といわれているが、その陰には「カネと資源」の問題が潜んでいた!!
◆戦争の背後には必ず、莫大な富を得る者がいる!!(ベンジャミン・フルフォード氏)
現在、世界中で起きている戦争や紛争の地理的条件を見てみると、その多くには石油や天然ガスなどのエネルギー、金やレアメタルなどの鉱物資源、水源などが存在する。そして最も激しい争いが行われるのが、その「通り道」なのである。イラク、シリア、パレスチナ、ウイグル自治区、チェチェン、ウクライナ……すべて石油やガスのパイプラインを通すうえで重要なルート上にある。
表向きは民族や宗教の争いに見えても、その背景にはカネや資源の奪い合いが必ず存在する。そして、その争いによって莫大な富を得ている者がいる。そんな輩の存在を私はこれまで暴いてきた。
そして、次に狙われるのはアフリカではないかと私は予測している。アフリカの各地で近年、金や石油、ウランなどの資源が大量に見つかっており、再びここでも「テロリストを駆逐する」「圧政を行う独裁者を打倒する」などの理由をつけてアメリカをはじめ各国の軍事介入が始まるだろう。
しかし、そのアメリカも往時の力は持っていない。かつては世界を支配していた米ドルは「石油」という裏付けを失いつつあり、米国債もすでに価値を失っている。ロシアや中国は米ドルと米国債の売却をちらつかせて外交の道具としている状況だ。ところが、日本だけはアメリカの政策に追従し、忠実に米国債を買い増ししている。郵政民営化、TPPと、日本人はいくら富を収奪されようと、アメリカを支えようとしているのだ。
この支配から逃れるためには、石油や天然ガスなどの化石燃料依存をやめ、新エネルギー利用にシフトしていくしかない。また政治的・経済的にはアメリカ追従をやめ、自主独立の道を歩むことが必要。TPPや集団的自衛権などアメリカの意のままに動く現在の安倍政権のスタンスとは、まったく逆の方向に進まねばならないのだ。
【ベンジャミン・フルフォード氏】
米経済誌『フォーブス』元アジア太平洋支局長。アメリカによる「日本収奪計画」を暴いた『ファイナル・ウォー』(扶桑社)を8月11日に上梓
取材・文・撮影/志葉 玲 白川 徹 野田雅也 北村土龍 写真/林 克明 神戸須磨子 AFP=時事 Getty Images 図/藤田朋子
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