8時間睡眠は都市伝説!? 本当に人間に必要な睡眠時間は?
健康に関する情報が氾濫している昨今、どれが正しく、どれが怪しいかを一般人が見分けるのは難しい。特定の企業・団体の利権や意向が複雑に絡み、根拠の乏しい健康の常識も世の中には氾濫している!
◆8時間睡眠は都市伝説!?人間に必要な睡眠時間はまだ解明されていない!
かつて「人間の理想的な睡眠時間は8時間」といわれており、多くの人は信じていた。ところが、まったくのウソだとか。
「まず、根拠がなく、誰が『8時間睡眠がいい』と言い出したのかもわからない。そもそも睡眠時間は年齢によって異なります」
こう説明するのは、睡眠研究の専門家である三島和夫氏。下記のグラフ、測定データによると、10歳以下の子供こそ平均睡眠時間が8時間を超えているが、徐々に短くなり、40歳で約6時間半、70歳以上になると6時間を切るのだ。
⇒【グラフ】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=720691
「このデータはあくまで平均であり、一日3時間程度しか寝ないショートスリーパーもいれば、逆に10時間睡眠を取る人もいます。睡眠時間の個人差は非常に大きいことは明らかになっていますが、その人にとって理想的な睡眠時間がどのくらいなのか調べる簡潔な方法は確立されていません。睡眠というのは、まだ解明されていない部分が多いのです」
さらに「深い睡眠」=「よい睡眠」ともいえないのだという。
一方、夜中に目が覚めるなど、何らかの不眠症状を訴える人の割合は、成人で40%だといわれているが、治療が必要なのは6~8%程度だと三島氏は言う。
「ただし、寝不足の人は非常に多いと思います。サラリーマンには休日に寝だめをする人もいるでしょうけど、眠りすぎは禁物。特に夜型の人は一気に体内時計が遅れてしまい、月曜日がツラくなります。寝るなら平日と同じ時間に一旦、起きて、昼寝をするほうがいいでしょう」
今も謎だらけの睡眠。理想の睡眠時間どころか、人間にとってまだまだ未知の領域なのだ。
【三島和夫氏】
睡眠学・医師。国立精神・神経医療研究センター部長。著書に『8時間睡眠のウソ。日本人の眠り、8つの新常識』(川端裕人共著/日経BP社)など
― 実は根拠のない健康常識のウソを暴く!【2】 ―
『8時間睡眠のウソ。日本人の眠り、8つの新常識』 睡眠に悩む方々のための必読書 |
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