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マキタスポーツ、大森靖子に「君は僕の番組を潰す気なの?」

マキタスポーツ(左)と大森靖子

マキタスポーツ(左)と大森靖子

「君は僕の番組を潰す気なの?」  そんな発言がマキタスポーツから飛び出したのは、彼のラジオ番組(『マキタスポーツ 土曜もキキマスター!』/ニッポン放送/毎週土曜日 午後7時~午後9時)で大森靖子が自らの「理想のエロいシチュエーション」を暴露したときのことだった。  そもそも大森靖子とは今回が初対面となるマキタだが、『Over The Party』という彼女の曲で衝撃を受け、その「正しく不健全」な世界観にすっかりやれてしまったという。マキタは大森靖子のことを「言葉を持ちすぎているアーティスト」と評しており、彼女のインタビューなどは細かくチェックしていた。  そこで、今年の8月にネットなどでも話題になった音楽フェス「夏の魔物」での「私の旦那とヤッたアイドルが今日いる」発言について、マキタがツッコんだことから以下のような展開を迎えたのである。 大森:暴露というか、エロいことがしたいというだけの曲の中で「どういうエロいことが自分の中で気持ちいいか」ということをセリフとして挟んだんですよ。別に私と付き合っているときにやられたわけじゃなくて、そのアイドルが旦那の元カノだったんですね。それで、「その人の部屋とかでしたいな」と思って。それを曲中にセリフとして挟んだら、ちょっと炎上しちゃったんですね。 マキタ:なかなかの妄想力ですね。なかにはいるじゃないですか、そういう好事家というか欲望の総量がすごい人って。例えば首をくくりながら自慰にふけって、そのまま逝かれてしまうとかっていうような。あなたの頭の中で、「それを実際にはしないけど、妄想の中で楽しんでいる」というようなこととかあるのかな? 大森:ありますね。自分の理想は、おじさんが小っちゃい女の子を押入れとかにぶち込んでるっていうのが、自分の中で最高のシチュエーション……。 マキタ:(発言をさえぎって。ブースの中からディレクターを見ながら)CM行きますか? いや、もうちょっとはしょらないで、じっくり聞こうか、あとのコーナーとかでね。君は僕の番組、潰す気なの?(笑)。  笑いながら、大森靖子のボキャブラリーや妄想力に感心するマキタ。だが、のちのコーナーでこの話題に再び触れることはなかったものの、話題はさらにディープに。大森靖子がマキタの著書『すべてのJ-POPはパクリである』などに書かれている「アーティストにとってオリジナリティとは何か」というテーマに言及するシーンも見られた。 マキタ:ちなみに、僕のことを知ってましたか? 大森:存じ上げております。J-POPの分析ネタも見ました(笑)。あれ、いいですね。上手ですね(笑)。私も、ああいう曲のつくり方していますよ。「こういう曲、あるある」みたいな感じでつくって、自分の歌詞を乗せる、みたいな。今の曲(番組内で生演奏した『呪いは水色』のこと)もだいたい、松任谷由実さんと松田聖子さんと中島みゆきさんを足して3で割ろう、みたいな感じでつくりましたね。 マキタ:いや、でも、作家は絶対にそうやってつくるんですよ。別に本当にサラの状態からつくる必要なんてないもんね。 大森:そうですね。絵とかも同じものを模写しても、みんな違うようになっちゃうじゃないですか。我流になってしまう、みたいな。 マキタ:だから、元ネタがどうであれ、「足して3で割る」でやっているのかもしれないけど、どうしても大森靖子でしかなくなっちゃっている、っていうのは面白いところだよね。 大森:それでいいと思いますね。特に自分たちは世代的にそういう世代ですね。(既存のモノが)いろいろあって、材料とか全部売ってて、みんなで携帯をデコレーションしてみたいな。デコる感覚でモノをつくっていい世代が早く来たらいいと思いますね。きゃりーちゃんとか売れたときにそういう時代が来たのかな、とうれしかったですけれど。 「やっぱり、大森靖子というアーティストは言葉を持っているんだよね。いちいち返しが面白い」と大森靖子に興味津々のマキタスポーツであった。 ※ニッポン放送『マキタスポーツ 土曜もキキマスター!』(毎週土曜日 午後7時~午後9時)、次回放送は11月29日(土)。ゲストは怒髪天の増子直純を迎える。 http://www.1242.com/kikimaster/ ●大森靖子 1stアルバム「洗脳」 12月3日発売 ●大森靖子 全国ツアー 「爆裂な!ナナちゃんとイくラブラブ洗脳ツアー」 2015年4月26日(日) 中野サンプラザ <取材・文/織田曜一郎(本誌)>
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