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毒蝮三太夫、18年ぶりの音楽界参戦に秘められた仕掛け人DJの熱い思い

「うるせぇババア!」

毒蝮三太夫レコーディングの様子 相手が誰であろうとお構いなしに毒を吐きつつも、高齢者のアイドルとして唯一無二の存在感を発揮しているタレント、毒蝮三太夫。今年で46年目を迎える長寿ラジオ番組「ミュージックプレゼント」(TBSラジオ)においても、世の中の移り変わりなどどこ吹く風とばかりに毒と笑いを排出し続けている。

 そんな毒蝮氏が18年ぶりに音楽界へ再進出。12月3日にリリースされたDJ JET BARONのメジャーデビューアルバム「Enak Dealer」の収録曲「おもしろおじさん feat. CHOP STICK, 丸省 and毒蝮三太夫」で、持ち前の毒を込めたラップを披露している。すでにスポーツ新聞や朝のワイドショーなどで話題になったので、ご存じの方もいることだろう。

毒蝮三太夫 若手アーティストの楽曲に大御所タレントが参加することは、ままある話。しかし他の話題作りのためのそうした仕掛けと違い、単なる思いつきや茶化しではない「毒蝮三太夫に頼みたい」という楽曲制作のDJの熱い思いが秘められていたという。楽曲を制作したDJ JET BARONに聞いてみた。

⇒【写真】はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=759139

◆おじさんが面白くて元気だと周囲が明るくなる。そのヴァイブスの体現者が毒蝮三太夫師匠

「僕も今年で37歳。れっきとしたおじさんです。これから自分はどう年を取っていくのかぼんやりと考えていた時、今回の楽曲にも参加しているレゲエDJのCHOP STICKさんに出会ったんです。彼がもう、誰もが認める”おもしろおじさん”で。常にアッパーで、おもしろいことしか言わない。地方でライブに行けば、子供たちもこぞって彼の振付をマネして大人気。プロモビデオを撮影した時も、エキストラの女の子たちに常にセクハラしてたんですけど(笑)、嫌がられるどころかモテまくり。毒舌や下ネタを吐いたとしても誰からも憎まれず、逆に周囲を明るくするんですよ。で、やっぱりおじさんが元気だとうれしいじゃないですか。なんかいいヴァイブスというか。で、このヴァイブスって何だろう?どこかで知ってるぞ?と考えたとき、ああ、毒蝮三太夫さんだと」

⇒【動画】Let’s Go! シャンパンマン feat.CHOP STICK(http://www.youtube.com/watch?v=zUiIOnuOwkI)

 CHOP STICK氏、ひいては「おもしろおじさん」そのものの存在に感銘を受け、リスペクトの念を込めて楽曲制作をスタートさせたDJ JET BARONこと高野政所氏。氏はDJ兼クラブ店主であると同時に、過去3年間に渡りTBSラジオ「ザ・トップ5」でパーソナリティを務めている。ラジオ界の先輩・後輩という間柄もあってオファーが届き、曲のコンセプトを伝え聞いた毒蝮氏は、即座に参加を快諾したという。

「おもしろおじさん」参加ミュージシャン:左からCHOP STICK、毒蝮三太夫、DJ JET BARON、丸省

「おもしろおじさん」参加ミュージシャン:左からCHOP STICK、毒蝮三太夫、DJ JET BARON、丸省

「レコーディングの時に初めてお会いしたんですけど、終始圧倒されましたね。『おう、お前ら!まず銀行員みたいな見た目じゃねえな!』から始まって、無事終了した際には『もっと遅い時間だったらお前ら飲みに連れてってやったのにな!それに俺はこれから上戸彩と約束があるから、じゃあな!』と高笑いして帰られました(笑)。まさにおもしろおじさん界の神様的存在、“おもしろおじ神(しん)”ですよ!」

◆ノリノリの毒蝮三太夫師匠が渋谷のクラブに訪れることに!

 その”おもしろおじ神”こと毒蝮氏の番組「ミュージックプレゼント」の12月5日(金)放送では、高野政所氏が店主を勤める渋谷のDJバー/クラブのacid panda caféから生中継が行われるとのこと

「蝮さんに『今度お前の店行くよ!招待してよ!』という言葉を頂いたんでこっちも『え!ラジオで?ミュージックプレゼントで、ですか?』とお答えしたんです。そうしたら『番組でか……それもいいな!』という事で急遽決定しました。46年間続く、ミュージックプレゼント史上でも、渋谷のクラブに毒蝮さんが訪問されるというのは前代未聞の大事件ですよ! 蝮さんはふだん、高齢の方々を相手にあの名調子を披露していますが、うちのお店は客層が20-40代が中心です。「ジジイ、ババア」がいない状態、毒蝮さんにとっては、ある意味アウェイになるのかも知れませんね。一体どうなることやら……。とにかく聞いた事が無いような放送になるのは間違いないので、楽しみですね!

 当のDJ JET BARON氏も、自らおもしろおじさんになるべく修行中とのこと。

「写真に写る時は常におもしろい顔をする、というところから始めています(笑)。世の中の大人が全員おもしろおじさんになったら素晴らしいと思いますね。若いころはカッコよさとかクールさとか体力とか“俺の売りはコレ”という選択肢が多い気がしますが、年齢を追うにつれて衰えがきますよね。でも毒蝮さんがそうであるように“おもしろ”はなかなか衰えない。おじさんとして周囲から愛される存在になりたいと思ったら、やっぱり“おもしろ”の道しかないんですよ」

 曲の歌詞の中に「おもしろおじさんは自由だ」というフレーズがある。カッコつけず、見栄を張らず、肩の力を抜いてたどり着く自由。内に秘めた悲哀をみせて同情を請うこともせず、ひたすら陽気。それこそが、おもしろおじさんという生き方だ。

「毒蝮さんの毒舌にはダジャレやユーモアも含まれていますし、何より毒を吐いた直後、常に『ガハハ!』と笑うんですよ、満面の笑顔で。そうでなきゃ、ヨボヨボのおじいちゃんに対して「もっとちゃんと喋れよ!」とか言えませんよ(笑)。“愛がある毒”だから嫌われないどころか、皆から好かれる。いま、世の中には単なる罵倒というか、愛を感じない毒ばかりが行き交っていて、ギスギスしている気がします。だからこそ、おもしろおじさんという生き方があるよ、おもしろおじさんが増えれば世の中も多少は明るくなるかもよと、これからも提案していきたいんです」

 なお、DJ JET BARON氏は12月6日(土)22時スタートのTBSラジオ「TBS RADIO ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」に出演し、さらに濃い「おもしろおじさん論」を語る予定とのこと。ぜひチェックして頂きたい! <取材・文/コバトシアキ>

DJ JET BARON●DJ JET BARON a.k.a. 高野政所。テクノ/ナードコア・ユニットのレオパルドンの設立者であり、インドネシア発祥の高速レイヴミュージック「FUNKOT(ファンコット)」の伝道者。2009年「FUNKOT」を発見しその常識知らずの破壊的な威力に圧倒され啓蒙/研究活動を開始。今までに9nine、hy4_4yh、→Pia-no-jaC←、Roll Deep、m.c.A・Tらの編曲や公式REMIXを担当。

2014年度版iLOUDの日本の人気DJ投票21位にランクイン、DOMMUNEにもFUNKOT DJとして通算5回出演、2014年2月には現地インドネシアの3000人級の巨大ディスコでもDJデビュー。4月には主宰した日本最大のFUNKOTイベント「Mega Dugem」でシャンパン50本がなくなるほど盛り上がる等、今最も注目すべきDJの一人でもある。

2013年1月に自身のオリジナル楽曲を含むEPを配信にてリリースし、4作連続iTunesダンスチャート1位獲得。2014年12月3日にメジャー1stアルバム『Enak Dealer』をユニバーサル ミュージックよりリリース。
http://www.universal-music.co.jp/dj-jet-baron/products/uicy-15352/

Enak Dealer

メジャー1stアルバム




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