更新日:2017年11月15日 17:44
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「葬儀会館建設の反対運動」が成功しない理由

 意外と知らない通夜やお葬式でのマナー、業界の裏事情を綴った今、注目のサイト「考える葬儀屋さんのブログ」。現在、同サイトの管理人・赤城啓昭氏による、初の著書『子供に迷惑をかけないお葬式の教科書』(扶桑社新書)が好評発売中。人気連載の第17回をお届けします。  「考える葬儀屋さんのブログ」管理人の赤城啓昭と申します。  先日、葬儀会館に対して近隣の住民が営業差し止めの裁判を起こしたという報道がありました。建設中や建設済みの物件を含めて日本中で葬儀会館に対する住民の反対運動が時おり起こっています。

photo by udonumai

 実はこの反対運動が成功するのは極めてまれなのです。  今回はなぜ反対運動がうまくいかないのかを、葬儀社と住民のやりとりを長年見聞してきた経験からお話ししたいと思います。  反対運動がうまくいかないのは、葬儀社が建築基準法違反などの違法行為を行っていない限り葬儀会館の建設・営業を差し止める手段や法律は存在しないからです。  葬儀社の住民への対応で必要なのは対話集会を開くことだけです。しかし法律上は建設に同意してもらう必要はなく、ただ集会を開いたという事実だけがあれば良いのです。そのため住民側の次善の策は、建設阻止はあきらめて対話集会を条件交渉の場にすることなのですが、実態は反対を主張するだけで物別れに終わり、結局葬儀会館を作られてしまうという結果になりがちです。  このように法律に基づいて葬儀社側は粛々と事を進めます。  なぜ法律は葬儀会館建設の差し止めを認めていないのでしょうか。
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法律は感情論を認めない
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