更新日:2022年12月30日 10:15
ライフ

「死に至る病」を媒介する蚊が発生! キャンプ、BBQ、海外旅行で要注意

梅雨を迎え、いよいよ本格的に夏に突入していこうとする6月。気温と湿度が高まるこの時期は、細菌やウイルスの増殖、あるいは精神の変調によって、多くの“ヤバイ病気”がはびこるタイミングでもあったのだ。命をおびやかす病の正体を追った! 6月に急増[死に至る病]

梅雨を経て、病を媒介する蚊が都市部で大量発生

死のリスク★★★★☆ 罹患リスク★★★☆☆ ※数値は各識者の所見、厚生労働省発表の統計データを参考に、編集部で算出したもの  ’14年、国内で70年ぶりの患者を出したデング熱。媒介となるヤブカが生息する代々木公園などが一時封鎖されたのを覚えている人は多いはずだ。害虫防除技術研究所の白井良和氏は、「ヤブカは少量の水たまりからでも発生し、衛生状態の良い日本の都市部にも数多く生息。特にこれから梅雨で夏場にかけて蚊が増えるため、デング熱のリスクも高まります。重症化し、体の内外で出血を伴う“デング出血熱”になった場合、治療が遅れると致死率は20%に」と指摘する。
6月に急増[死に至る病]

ヤブカの一種であるヒトスジシマカ。デング熱のほかにジカ熱、チクングニア熱を媒介。青森以南に広く分布している<写真提供/白井良和>

 デング熱は全世界で年間1億人が感染しているともいわれており、その7割がアジアに集中しているとか。しかも、6月中に出張や旅行で海外へ渡航予定がある人には、さらなるリスクが重なる。 「マラリアです。媒介となるハマダラカは雨季に増えるのですが、東南アジアや東アジアなどは6月が雨季。感染リスクが高い時期に当たります。致死率は1%程度ですが、全世界で年間2億人が罹患しています。虫よけスプレーなどでしっかり対策をしましょう」  キャンプやBBQなど、屋外でレジャーを楽しむ場合も注意を。 <この病にも要注意!> ・重症熱性血小板減少症候群 SFTSとも呼ばれ、ウイルスを持ったマダニにかまれることで発症する近年多い感染症のひとつ。重症化して多臓器不全などを起こし、死に至る場合もある。致死率は5%~ ・マラリア 熱帯熱、三日熱、四日熱、卵形、サルマラリアの5種類があり、潜伏期間や症状なども異なる。「危険なのは熱帯熱型。マラリアで亡くなる人の99%はこのタイプです」(白井氏) 【白井良和】 害虫防除技術研究所代表。医学博士。蚊をはじめとする害虫防除のエキスパート。著書に『蚊の対策がわかる 蚊の教科書』(モストップ) ― 6月に急増[死に至る病] ―
おすすめ記事