指原莉乃も絶賛!? アイドル界に新風を巻き起こす「sora tob sakana」とは?
アイドルブームがそろそろ終わる――。そう言われ始めて数年が経過してきたが、そんな周囲の声をものともしない、上り調子の元気なグループがいる。神﨑風花、山崎愛、寺口夏花、風間玲マライカ、4人組のアイドルグループ「sora tob sakana」(ソラトブサカナ)だ。
今年の2月にはサンプラザ中野で主催ライブを開催し、4月からは文化放送で冠番組が放送開始。5月16日にはワーナー・ブラザーズからメジャーデビュー、ミニアルバム『alight ep』をリリースした。
さらに7月1日、国際フォーラムC にて4周年ワンマンライブ「4th Anniversary One Man Live city light,star light」を開催予定。25日には、TVアニメ『ハイスコアガール』の主題歌、『New Stranger』のリリースが決定しており、いまもっとも勢いのあるグループのひとつと言われている。
sora tob sakanaはなぜこの時代に勢いに乗れているのだろうか? その最大の魅力は、ハイクオリティな楽曲とその世界観にある。アイドルに詳しいプロインタビュアーの吉田豪が「世界に通用する音」と評し(2016年sora tob sakanaワンマンライブでのトークショーにて)、ゲスの極み乙女のボーカル・川谷絵音も、ラジオで「写真を見ると普通にアイドルなのに楽曲を聞くと、本当に驚く。演奏が始まった瞬間、アイドルとは思えないほど」と曲を紹介している。
アイドル好きで知られる、凛として時雨のドラマー・ピエール中野はCINRA.NETのインタビューにて、「『これ、もうアイドルじゃないよ』という楽曲って、最近たくさん出てきていますけど、ちょっともう桁が違う感じ。(中略)メロディーもクールで洗練されているし、ここまで振り切ったことをやっているアイドルが出てきているのかと」と絶賛。sora tob sakanaを、自身が主催する「ピエールフェス 2017」へ出演させているほどだ。
名だたる音楽通たちから高い評価を受けるsora tob sakana。サウンドプロデューサーを務めるロックバンド・ハイスイノナサの照井順政は「ポストロック」というジャンルの楽曲を手がけ、sora tob sakana楽曲のほかに、’17年にもTVアニメ『宝石の国』テーマソングのプロデュースなど、幅広い活動をしている。
グループ結成は’14年で、照井がプロデューサーとして関わり始めたのが’15年。この頃から“ポストロック”な楽曲の提供を開始し、同年にインディーズで発売したシングル曲『夜空を全部』が、アイドルファンの間で好評価を受ける。’16年に発売された、同曲が収録されたアルバム『sora tob sakana』は、毎年末に行われている『アイドル楽曲大賞』のメジャーグループも含むアルバム部門で、ぶっちぎりの1位を獲得。ライブアイドルシーンでの存在感を大きく示し始めたのだった。
こういった、楽曲が高く評価されている状況について、メンバーは必ずしも快く思っていなかったようだ。風間玲マライカは当時、ライブなどで「曲ばっかり評価されて、悔しい!」とたびたび語っていたが、現在はどう感じているのか。
「そんな時期もありましたね……懐かしい! 今はたぶん、曲だけじゃなくて、私達のパフォーマンスの良さにも気づいてくださる方が増えたと思います」(風間)
ライブを開催するステージも徐々に大きくなり、’16年の結成2周年ライブでは、収容人数500人程度の会場で「(席が)埋まるか不安だった」と声を揃えていた4人が、中野サンプラザや国際フォーラムでのライブを開催するまでに成長。本人たちの努力が実り始めたのだろうか。
「あんまり上手くなったわけではないですけど、ヘタクソからは3ミリくらい出られたかな…。身内が聞けるレベルには、なれたかなと思います」(山崎)
「昔は子どもだったじゃないですか。あ、今もですけど、昔はもっと子どもだったから、来るのに抵抗があった人が多いんじゃないかな(注:結成当時は4人の平均年齢が14歳)」(寺口)
「あと1年でみんなが高校生になるから、ストライクゾーンに入る人も、増えるかもしれないね」(神﨑)
と、やけに謙虚な姿勢が微笑ましい。このすれていない、“イノセントな感じ”は、彼女たち sora tob sakanaならではの魅力。そう語るのは、プロデューサーの照井だ。
「彼女たちって、出会ったときから無邪気で、ずっと変わらないんです。もちろん、(風間)玲ちゃんなんかは『売れたい』って野心を出すこともあるんですけど、それも『ビートルズを超えたい』とか、ちょっとぶっとんだところもあって(笑)。立つステージが大きくなっても、4人の空気感が変わらないのはおもしろいですね」(風間)
この無邪気さは、インタビュー中も変わらず発揮される。メジャーデビューをして意識が変わったかという質問すると、「メジャーデビューの曲でMVを撮影したんですけど、完成度がいままでと違うっていうか…。セットもすごくて、撮影に臨む意識が変わったから、良い表情が撮れました」(神﨑)と作品の話が広がるかと思いきや、すぐさま「差し入れのお菓子がいっぱいでした! プリンがおいしかった!」(寺口)「あとお弁当に入ってたゴマ団子がおいしかった」(神﨑)と食べ物の話にそれてしまう。
このゆるい雰囲気は、ライブのMCでも発揮されるだけにとどまらない。昨年にはHKT48の指原莉乃がMCを務めるトーク番組『この指と~まれ!』(フジテレビ)に出演し、爪痕を残したのだ。sora tob sakanaは番組中にいじられて大爆笑をかっさらっただけでなく、指原の印象にも強く残ったようで、『週刊プレイボーイ』のTOKYO IDOL FESTIVAL2017特集では、指原が風間を「注目の美少女」として選出。
「『バカキャラ』っていわれて、いやがってる子供っぽい一面がすごくいいんです。その性格ときれいな顔とのギャップがたまらないですね。とってもかわいいです!」と絶賛し、この一連の流れから、新規のファンも多く獲得できたとか。このグループの魅力は、プロデューサーの照井が手がけるハイクオリティな楽曲の世界観と、メンバーたちのゆるさのギャップなのかもしれない。
ゆるいトークとハイクオリティな楽曲のギャップが魅力
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『sora tob sakana/alight ep』 アイドル界隈のみならず、ロックバンドファン、また音楽そのほかカルチャーなどについての感度が高い層からにも人気急上昇のグループ・sora tob sakanaがメジャーデビュー |
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