更新日:2014年07月23日 16:14
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日本の湿地が100年で61%消滅!生物絶滅の引き金に

ニホンウナギの絶滅危惧種指定が話題になっているが、絶滅しそうなのはウナギだけではない。実は1年に4万種という、恐竜絶滅期以上の超スピードで“種の絶滅”が進んでいることが判明。人類は、史上最悪の“第6の大絶滅期”真っただ中にいたのだった! ◆100年で61%が消滅!湿地減少が生物絶滅の引き金に【湿地破壊】
「ふなばし三番瀬海浜公園」公式サイト

「ふなばし三番瀬海浜公園」公式サイトより

 日本でも多くの生物種豊かな場所が危機に瀕している。例えば、三番瀬は千葉県船橋、市川、浦安、習志野市の埋め立て地に囲まれた、約1800haの干潟だ。ラムサールネットワーク共同代表の呉地正行氏はこう解説する。 「三番瀬にはゴカイをはじめ甲殻類や貝類などの底生生物が多く生息し、東京湾の水質の浄化に役立っています。また、シギやチドリ、コアジサシなど渡り鳥の貴重な中継地にもなっています」  少なくともこれまで魚類101種、鳥類89種、底生生物155種、プランクトン302種、計647種が確認されているという。 「現在、東京湾の干潟・浅瀬は9割以上が埋め立てられてしまいました。ここは本当に貴重な干潟なんです。私たちは、生き物の共有財産である海を大事に守っていかなければならないのですが、これがなかなか多くの人に理解してもらえません」  三番瀬は幾度となく開発計画による消滅の危機に晒されてきたが、地元の干潟の保全を主張する人々の努力によって、消滅を何とか免れてきた。現在、’15年にウルグアイで開催されるラムサール条約(湿地の保存に関する国際条約)締約国会議に向けて、三番瀬が登録されるようにと署名活動が始まっている。  湿地帯の消滅は、周辺の生態系にも大きな影響を与える。ところが日本では湿地はどんどん開発されてしまい、ここ100年で全国の湿地の61%が失われてしまったという。 「湿地は、人間を含む生態系の維持に必要な生命の循環を保持してくれる、非常に大事な存在です。“第6の絶滅期”と呼ばれる絶滅の連鎖を止めるには、湿地の保全が必要。生態系の維持、水質浄化、洪水防止など、湿地帯の役割は重要です。湿地やそこに生息する生物たちが消滅することは、その恩恵を受けている人類の存在も危うくすることに繋がります」  “生態系の維持装置”として大きな役割を担う湿地が失われたとき、それは生態系の一部である人類の命の循環も、また途絶えることに繋がるのかもしれない。 ― 人類は[絶滅期]を迎えていた!【4】 ―
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