いま「アーケードゲーム」に再注目すべき理由――『FF』シリーズ投入、オンライン対戦の実現etc.
アーケードゲーム業界の衰退が取り沙汰されるなか、今年は話題のタイトルが続々登場。各社の取り組みを識者やメーカーに取材した。
◆異色のコラボなどで大人に狙いを定めた台も
⇒【前編】「アーケードゲーム再興を目指すメーカーの挑戦――『艦これ』、『モンスト』までもが移植に」https://nikkan-spa.jp/811814
「アーケードゲーム業界を盛り上げるためには、新しいことをやっていくしかありません」と答えてくれたのは、バンダイナムコゲームスの原田勝弘氏。その言葉を体言するタイトルのひとつとして注目を集めるのが、ポケモンとタッグを組んで開発した『ポッ拳』だ。
「JAEPO2015に出展しましたが、我々の想像以上に反響がよくて。本作は“大人のポケモン”をテーマに、子供の頃に『ポケモン』に慣れ親しんだ、19~29歳のいわゆる“ポケモン世代”を狙っていますが、それが見事にハマりましたね」(原田氏)
⇒【画像】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=811858
会場で『ポッ拳』をプレイしたアーケードゲームに詳しいブンブン丸氏は、「『ポッ拳』が“店舗間通信対戦システム”に対応することで、さらに盛り上がるんじゃないか」と期待している。
店舗間通信対戦システムとは、オンライン対戦を実現する仕組みのこと。通信によるラグ(遅延)などの問題で、アーケードの対戦格闘ゲームやアクションゲームには採用されていなかったが、3月から順次稼働予定の『鉄拳7』で、初めて実装される。
「このシステムが実装されれば対戦相手には事欠かないだろうし、直接対戦するのに抵抗がある人も遊びやすいと思いますよ」
◆コアゲーマー向けのゲーム性の高い新作も
ブンブン丸氏は、「メーカーの垣根を越えて、おもしろいタイトルを作ろうとする流れは、業界全体に広がっている」とも。
「特にフットワークが軽いのはスクウェア・エニックス。他社と積極的にコラボしているし、『スクール オブ ラグナロク』は複数のメーカーのクリエイターが制作に参加している。それに、コアゲーマーに向けた本格的な対戦ゲームが登場するのもうれしい。セガの『Wonderland Wars』や『FF』シリーズ初のアーケードゲーム『ディシディア ファイナルファンタジー』は、ゲームファンの間で話題です」
各社の戦いは始まったばかり。今後の動向に注目したい。
【原田勝弘氏】
バンダイナムコゲームスにて、『鉄拳』や『ソウルキャリバー』などのシリーズに携わるゲームディレクター兼チーフプロデューサー
【ブンブン丸氏】
あらゆるジャンルのゲームに精通した、生粋のゲーマー。ライターや編集者のほか、イベントのMCなど、マルチに活躍している
※画面はすべて開発中のものです <取材・文/黒田知道>
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