震災後、東北の夜の街は活況が続いているという。〈国分町のキャバクラは出稼ぎ労働者で大盛況〉〈小名浜のソープは作業員で大行列〉。週刊誌などでこんな見出しを見かけた人も多いことだろう。
だがこの手の話、震災から5年も過ぎているというのに、あまりにも更新されていない気がする。福島は本当に今も好況なのか?メディアは、福島をわかりやすい型に収めすぎではないか?
そんな荻上チキ的な違和感を私が抱くのも無理はない。なんせ私ワルヂエ記者、18歳まで福島で育った生粋の福島っ子だからだ。
本当の福島の話を始めよう
いま、故郷の夜はどうなっているのか。東北新幹線に飛び乗り、北へ向かった。東京駅からやまびこで1時間半。郡山駅に降り立った。もともと繁華街の盛り上がりは県内随一だったが、震災以降は県外資本が続々と進出。ちょっとしたバブル景気に沸いていたという。
今回訪れた「LION」も、札幌の超有名グループに属する2011年オープンの新しい店。
だが、震災から6年目を迎えた今、そのバブルも収束に向かいつつあるというのが地元の人の話だ。
「除染作業が落ち着いてきたんですよ。受注単価も下がってきたので撤退する業者が増えてね」(たまたま入った中華屋のオヤジ)
結果、勢いだけで出店したキャバクラは、客足が遠のき閉店ラッシュに。淘汰の結果、女のコの質、サービスともに兼ね備えた実力店だけが残る状況になった。
それもあってかこのキャバクラ、とにかく女のコのレベルが高い。都心で適当に入った店の比ではないのだ。
東京から1時間半で会える福島美人たち
威勢よく場を盛り上げてくれたまりあチャンは、県北部の二本松出身。私ワルヂエ記者、10代は同じ福島で過ごしたはずなのに、君みたいなかわいいコとは無縁の青春時代だったよ!
女のコのレベルの高さゆえ、他県から美女が大量投下されたことも疑ったが、店の女のコは9割以上が福島生まれ福島育ちだというから驚きだ。
みなさんもあるだろう。出張先で地元のコと触れ合うべく夜の店に入ったのに、ついた女のコが東京出身でガッカリ、なんて悲劇を。
ここではそんなことが一切ない。
「福島女って美人なんですか? 」
手拍子でカラオケを盛り上げてくれたみうチャンも、県南部の須賀川出身。あれ? あなた福島訛りが全然ない!
「おばあちゃんは方言が強いけど、私たちは標準語に近いのかな? 」
福島は、場所によって文化も話し方も遊び場所も異なる。郡山だと、どこに買い物に行くのだろう。
「新幹線で東京とか仙台に行っちゃうかな」(まりあチャン)
駅ビルとかイオンとか、ベタな施設が出てくると思ったら、そうでもないんだ。
「10代のころはよく行ってましたけど(笑)。お客さんは県外と地元の人で半々です。東京はよく行くから話も合うし、出張じゃなくても郡山に遊びに来てほしいです! だって、往復しても3時間ですよ(笑)」(りおなチャン)
た、確かに近い!
歌舞伎町でヘンなキャッチにつかまり、散々ぼったくられるよりは、親への顔見せを兼ねて地元に帰り、夜の街で遊ぶのも悪くない。
銘菓「ままどおる」を頬張りながら、郷里のポテンシャルの高さを思い知らされるワルヂエだった。
【LION】住:福島県郡山市駅前2-7-16 アーケード増子ビル2F
電:024-934-7070
営:20~26時(金・土は27時まで)
休:日・祝
料:60分飲み放題/4000円(TAX8%・サービス7%別) 女のコのドリンク1000円~。個室は60分/6000円or8000円。 取材協力/伊藤 綾 撮影/長谷英史