俺の夜
季節は忘年会シーズン真っ盛り。二日酔い防止の漢方薬が手放せなくなっているスパムです。
久しぶりのメンツなら二次会で深酒するのも楽しいが、たまには変わった遊びをしたいもの。そこで注目なのが、「ビアポン」というゲームだ。ビアポンは、’50年にアメリカで生まれ、世界大会が開かれるほど人気のゲーム。特にアメリカでは、大学生のホームパーティで“飲みゲーム”の定番らしい。
そんなビアポンを日本でも遊べる店が増えているということで、早速行ってみた!
訪れたのは、中目黒にあるアミューズメントバー「PONPON」だ。店内はカウンターとソファ席を合わせて30人ほど入れる広さ。その一角に、色鮮やかなライトが光り、“映える”ビアポンマシンが置かれている。
ルールは、ピンポン玉を投げてカップに入れ合うというシンプルなもの。そのカップの中身がビールだったのがピアポンの由来だとか。始める前に、まずビールで乾杯!
※ビアポンのルール
2チームに分かれ、8分間で1回3球のピンポン玉を交互に投げ入れる。カップインした数に応じた量のドリンクをその都度飲み、球が入ったグラスは減らして時間内に多く入れたほうが勝者
「体験した人が口コミで友達を連れてきて、広がっている感じです。2対2のペア戦が特に盛り上がりますね」(スタッフのミサちゃん)
今回はお店のスタッフに参加してもらい、男女ペア対決。すると、ビアポンマシンの上に罰ゲーム用のドリンクサーバーが登場。1ゲーム700円にこのドリンク代も含まれているのは良心的だ。スタッフに参加してもらい、男女混合戦に挑むスパム。 今回はお店オリジナルのカクテル“ブルポン”を選択。準備が整い、ゲーム開始!
10個のカップを目がけてピンポン玉を投げる。簡単そうに見えて難しい。序盤は相手チームにカップインを決められ、ハイペースでショットのドリンクを飲み続けるハメに。
店長曰く、「おとなしく見えるコが大胆に投げるなど投げ方で性格がわかりますね」。交代も早いので、ドリンクを飲むペースもアップ。毎回ペアと乾杯をし、コミュニケーションが生まれるのは嬉しい。だが、杯を重ねるほど酔いが回って入らなくなる……。後半になって接戦に持ち込んだが、惜しくも敗北した。初対面の女子とも打ち解けること必至!
「日本では広がり始めたばかりで、みんな素人なのがいい。サラリーマンの団体客だと、負けたほうがお会計を払うとか、アレンジして楽しんでいる人もいますね」(店長)
シンプルだからこそ、男女関係なく白熱する。次の二次会は、ビアポン大会でタダ酒を目論むスパムでした。
PONPON
住:東京都目黒区上目黒3-3-12 ペニービル4F
営:20時~翌6時
休:なし
電:03-5724-3221
料:チャージ1000円(団体は飲み放題メニューもあり)
システムの詳細はインスタグラム(@ponponbar_nakameguro)まで
撮影/菊竹規
近年は『東京卍リベンジャーズ』や『今日から俺は!!』のヒットもあり、ヤンキー文化が若者の間で注目されているらしい。そんななか昨年6月、東京の浅草に“スケバン”をコンセプトにしたお店が誕生していた。アラフォーのスパムですらスケバンは見たことない存在だが、どんな店なのか。スケバン女子に合法的なカツアゲをくらうべく、向かってみた。
“タメ語”が基本ルール。スケバンの世界に浸るストリップ劇場「浅草ロック座」からほど近い場所にあるのがスケ番カフェ「FLOW」だ。店内には壁一面に「愛羅武勇」「喧嘩上等 女番長」などの落書きがびっしり。ヤンキードラマのセットに足を踏み入れたようである。
着座すれば、カウンターのテーブルとイスがやたらと低い。「うんこ座りして飲める高さにしている」(店長)という。すると、ロングのセーラー服で気合の入った、ゆきこ&めいコンビがご登場。「乾杯するよ! 何がいい?」
同店では客に対しても呼び捨て&タメ語が接客ルール。キャストだとわかっていても「あ、生ビールをお願いします……」と、こちらがむしろ敬語になってしまう。
「じゃあ、今夜は夜露死苦!」という掛け声とともに乾杯!
みごとなスケバンルックな2人だが、実際には平成生まれ。「どうやったら立派なスケバンになれるのか」と自問自答しているとか。
ゆきこ「50代のお客さんが教えてくれるんだよね。ツッパッリ時代の写真を持ってきて熱心に解説してくれたり」
めい「ウチの母親がその世代で、当時の写真を見せてもらったら、刺繍入りのセーラー服を着て聖子ちゃんカットでバリバリのスケバンだった」
たまり場にダチがたむろして遊んでる雰囲気で楽しんで
店内カラオケの履歴を見ると、中森明菜や横浜銀蝿、嶋大輔など頷けるラインナップ。お酒をちびちび飲んでいると、「男だったらグッと飲みな!」と、煽られるスパム。高校生時代に地元・茨城で工業高校の生徒にカツアゲされて以来のプレッシャーを感じた。
カードゲームも多数あり、「花札で盛り上がることが多い」という渋さ。ルールを知らないスパムでも、さっきまで厳しかったスケバンが手取り足取り優しく教えてくれた。
ゆきこ「ウチの店は、たまり場にダチがたむろして遊んでる雰囲気で楽しんでほしいね」
ゲームで負ければ罰があるが、ここではスケバンにケツを竹刀で叩かれるのが人気なんだとか。実際にスパーン! とシバかれてみると、背筋が伸びて気合が入る。
まさに本物のスケバンと錯覚するほどの再現度。「また来いよ」と言われれば、素直に応じてしまうスパムでした。
【スケ番カフェ FLOW】
住:東京都台東区浅草1-12-8大山ビル4F
営:20時~ラスト
休:月曜
電:03-5830-7500
料:チャージ2000円/40分(飲み放題、自動延長制)
出勤情報やシステムの詳細はお店のツイッター(@asakusa_sukeban)をチェック!
AKB48劇場や秋葉原ディアステージをはじめ、街の小さな劇場から人気アイドルグループが生まれるケースは多い。その最新版になるかもしれないのが、新宿・歌舞伎町に誕生したアイドル劇場「かかかぶぶぶききき!!!シアター」だ。
この育成型ライブシアターは昨年10月に総工費2億円をかけてオープン。アイドルグループのライブを見つつ、お酒まで楽しめるという。
“ザ・夜の街”から、どんなアイドルが羽ばたこうとしているのか。早速、行ってみた。
総工費2億円も納得の圧倒的な迫力のライブ
向かった先は新宿区役所の隣のビル。4階に上がり看板が掲げられたドアをくぐると、そこはまさに劇場だった。
黒ベースの客席シートと防音壁が並び、T字に伸びたステージの奥には長さ5mほどの巨大LEDビジョン。あまりの本格的な雰囲気に、場末のショーパブをイメージして来ると面食らいそうだ。この劇場で連日連夜ライブを披露しているのが、店と同名のアイドルグループ「かかかぶぶぶききき!!!(以下、『かかか』)」のメンバーだ。“歌舞伎町から、世界へ”をコンセプトに、昨年行われたオーディションではなんと約1000人が応募。そこから18人が選ばれたという。
「最初のオーディションでは『歌舞伎町なのにアイドル?』って半信半疑でしたけど、実際にシアターを見たら、『え、ちゃんとしてる!』って気合を入れ直しました(笑)」
そう話すのは、メンバーのRUIちゃん。モデルとして活動していたが、今はその退路を断って“かかか”に全力投球している。ほかにもプロ野球チームの元チアダンサーという異色の経歴を持つASAKIちゃんも、「コロナ禍でパフォーマンスする場が減ってしまって」と、新たな挑戦を決意して加入したとか。
元チアダンサーやモデルがアイドルへと大変身!
そんな彼女たちのステージは、近未来の歌舞伎町を舞台にしたサイバーパンクなオープニング映像からスタート。音響効果が抜群なので、凄まじい臨場感だ。メンバーが登場すると、今度はキレ味抜群のダンスに目が離せなくなる。映像×音響×パフォーマンスに圧倒され、気づけばサイリウムを振りまくっていた。
公演終わりにはメンバーが客席を回る「歌舞伎タッチ」、さらに推しメンにシャンパン(1万円~)を注文すれば、自分だけに向けたソロパフォーマンスをしてもらえる「MVK」というファンサービスタイムも堪能できる。
「このMVKをネット注文して“遠隔推し活”という楽しみ方もできるんです。全国やアジア圏からも注文が入ったりします」(同店ディレクター)
早くも世界から目を付けられ始めている彼女たち。歌舞伎町から羽ばたく前に、しっかり堪能したいスパムでした。
【かかかぶぶぶききき!!!シアター】
住:東京都新宿区歌舞伎町1-4-12 新宿ミヤタビル4F
営:17~24時
休:日曜
電:03-6205-9933
料:かかか!!!開店プラン3500円/60分(KABUKIおひねり10枚込み)
詳細はツイッター(@kkk_bbb_kkk)をチェック
撮影/菊竹 規