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俺の夜

絶旨ハイボールは必飲。東中野でシガーと燻製も楽しめるスモーキーなウイスキーバー

アイラハイボール BAR Smoke Salt_01 飲み屋での最初の一杯は必ずハイボール。初めは糖質を気にせずにたくさん飲めるという理由だったが、最近ようやくウイスキーのおいしさがわかるようになってきた。せっかくなら風変わりなハイボールが飲みたい。

コンセプトは“煙”絶旨ハイボールに酔う

 訪れたのは東中野にあるオーセンティックバー「Bar Smoke Salt」。扉を開けると、個性的なスーツ姿のマスター・佐々木剛さんが出迎えてくれた。

 今年でバーテンダー歴30年という佐々木さんが、’09年に構えた同店では、こだわりのウイスキーカクテルや燻製料理を葉巻と一緒に楽しめる。

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バーテンダー歴30年! マスター・佐々木剛さん

「僕は燻製も葉巻も20代の頃から好きだったので、ウイスキーと燻製と葉巻という“煙”をコンセプトに始めたお店になっています。ウイスキーの製法は燻製と非常によく似ていて、燻製との相性がすごくいいんですよね」

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「アイラハイボール」は燻製のようなスモーキーさ

 一番人気は店名にも冠している「アイラハイボール」(1200円)。「ラフロイグ」など3種類の“アイラウイスキー”を調合し、店内の樽で寝かせたお酒で作られたハイボールだ。早速1杯いただく。

「アイラウイスキーはアイラ島という島で造られた少しクセのあるスコッチで、スモーキーな風味と少し塩味のあるテイストが特徴です。そもそもウイスキーは樽で熟成させて造られますが、『アイラハイボール』で使うお酒は、さらにお店で“追い熟”させているというかたちですね」

 ウイスキーやハイボールのブームもあり、この一風変わったハイボールの新鮮な味わいが評判に。ウイスキーバーは数あれど、これほど強いこだわりを感じるお店はやはり珍しく、同店で定番の一杯となっている。

「もちろん、そのままボトルから出すお酒もいいんですが、『せっかくバーで飲んでいただくなら』という気持ちもあるし、単純にオリジナルの味わいを追求することが好きなんです。その意味では燻製などのおつまみも基本は自家製で。ここまで料理に入れ込むバーテンダーもなかなか珍しいかもしれませんね(笑)」

少しピリッとした舌触りが「その日の燻製盛り合わせ」(1500円、白菜・生ハム・ししゃも)と合う

 カウンター6席の小さなバーだが、薄暗い“穴蔵”のような店内は、なんとも落ち着く雰囲気。飲み会や仕事帰りに立ち寄る一人客が多いそうだ。

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葉巻を吸ってゆったりリラックス。試喫した葉巻は軽めのホンジュラス産「マエストランサ」(2500円)。

「現在取り扱っている葉巻は『ニカラグア』『ホンジュラス』『ドミニカ』の3か国の葉巻です。キューバ産より手頃な2000〜3000円の葉巻を多く揃えています。各々、リラックスしながら自由に過ごされる感じのお店なので、ウイスキーに詳しくない方や女性の方も気軽に立ち寄っていただければ」

 他にも個性的なハイボールやウイスキーカクテルが充実している同店。常連になればウイスキー通に近づけそうだ。

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オリジナルハイボール(1100円)同店でしか飲めない“クセつよ”ハイボール。「カリラ」と「アードべック」というクセの強い2種類のウイスキーをブレンド。ソーダで割った個性派ハイボール


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スーパーハイボール(1200円)香りを効かせたアレンジハイボール。ジョニ赤の愛称で知られるブレンデッドウイスキーに、そのキーモルトである「タリスカー」をフロートさせた一杯


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ロブロイ(1600円)スコッチ好きの定番カクテル。自家製の苦味酒のほか、カクテル用に開発されたスコッチウイスキーをベースに3種類のウイスキーを調合した

「アイラハイボール BAR Smoke Salt」
住:東京都中野区東中野1-14-26 高山ビル
営:18:00〜24:00
休:不定休
料:チャージ700円(現金のみ)一番人気は店名にも冠している「アイラハイボール」(1200円)。カウンター6席のオーセンティックバー

「アイラハイボール BAR Smoke Salt」撮影/鈴木大喜

オフィス街・八重洲にある、ひとり日本酒デビューに最適な老舗酒場

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初心者にも心優しい、正統派な日本酒が嗜める老舗酒場

 普段はワインばかりで、自ら進んで頼むことはない日本酒。学生時代の記憶から、〝酔っぱらうための酒〟というイメージが根づいてしまい、正直良い思い出はないが、これを機においしい日本酒で飲み方を覚えて嫌な思い出を払拭したい。
 
 そこで今回は、豊富な日本酒ラインナップが自慢の居酒屋「ふくべ」へ。思い切って老舗酒場の敷居をまたいだ。

異彩を放つ巨大な四斗樽に心ひかれる

3102 店内は1階がカウンターの9席、2階には団体向けテーブル席が設けられている。バックバーには42種の日本酒がズラリ。中でもカウンター奥に鎮座する菊正宗の四斗樽が、ひときわ存在感を放っていた。

 創業84年。現在は創業者の孫にあたる三代目が店主を務める。

「初代は、地方から出てくる労働者の方たちのために『少しでも故郷を思い出して仕事をがんばってもらいたい』という思いで立ち飲み屋から始めたといいます。そのため、ウチでは全国の日本酒を取り揃えています」

 これだけ種類豊富となれば、どれから飲み始めればいいのか見当がつかない。そこで三代目におすすめを伺った。

「そう聞かれたら全部おすすめですね(笑)。なので、重めかさっぱりめ、甘めか辛口か――というように、お好みをお伝えいただければそれに応じてお酒をお出ししますよ」

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「菊姫 菊姫」(石川)お燗で味わえば、香り高さが際立つ 一杯850円。昭和58年に日本酒業界初の「山廃仕込」表示の純米酒として発売。ナッツを連想する芳醇な香りが特徴

 
3181 まずは、自分好みの“重めで辛口”をリクエスト。すると三代目が純米酒の菊姫を取り出し、徳利に注いでくれた。

「お燗で飲むのがおすすめですが、まずは常温でお酒本来の味を試してみてください」

 おちょこに注いで一口飲むと、華やかななかにも切れ味のある風味が口いっぱいに広がった。ここで日本酒に合いそうな、たらこのちょい焼きとさつま揚げをオーダー。半生状態のたらこは塩気が効いていて酒が進む。

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3050 今度は前々から気になっていた菊正宗の四斗樽に挑戦することにした。

「菊正宗は冷酒と常温とお燗でお出ししています。まずは、冷酒とぬる燗を試してみてはどうですか」

 三代目に勧められるまま、飲み比べをしてみる。冷酒はキリッとしたのど越しで飲みやすい。かすかに樽の香りも感じられる。続いて40℃に温められたぬる燗に口をつけると、冷酒よりもさらに樽の香りが深くなり、味に奥行きが生まれた。

「樽酒は日々熟成されるので、量が底に近づくほど樽の風味が強くなります。一升瓶40本分が入っている四斗樽は、当店では約1週間ほどで空になる人気のお酒です」

3143 普段は常連と新規客がほぼ半々の割合で訪れるというふくべ。気さくな店主との会話を楽しみながら日本酒の知識も学べる。ひとり日本酒飲みデビューに最適なお店だった。

「ふくべ」
住:東京都中央区八重洲1-4-5
営:16:30~22:30
休:土日
料:日本酒は一杯850円~、菊正宗樽酒お土産用2000円、おでん830円、しめ鯖780円、くさや830円。週末はカウンター席がすぐ埋まるため、事前予約がベスト

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「北島酒造 北島」(滋賀)これぞ日本酒!ガツンとした味わい 一杯850円。「飲めば食べたくなる、食べたら飲みたくなる」がコンセプトの、食中酒向きの逸品


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「朝日酒造 朝日山 千寿盃」(新潟)すっきりとした軽い口当たり aた酒造会社の一品。淡麗辛口の特別本醸造酒。常温でも燗でも幅広い飲み方で楽しめる


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「土田酒造 土田」(群馬)フルーティな飲み口は女子ウケ必至 一杯850円。冷酒で提供。江戸時代の製法を貫き、地元群馬のお米をできるだけ磨かずに醸して製造するこだわり

撮影/鈴木大喜

ギネス記録にも認定された大塚の隠れ家的ワインバー。63歳の店主が無休で営業中

D6A6914 家に常にストックするほど赤ワインが大好物。当連載の取材にかこつけて「せっかくならワインバーを堪能しよう!」と店を探していると、「マデイラワイン」を専門に扱うバーを見つけた。ワインというと、赤、白、泡のイメージが一般的だが、マデイラワインとは何なのか。早速、店を目指した。

一杯300円から堪能できるマデイラワインの奥深い世界

D6A6924 大塚駅にある「レアンドロ」。扉を開けると店主の鈴木勝宏さんが出迎えてくれた。
 
 メニューリストを見ると、ワインの銘柄が筆記体で羅列されていて、どれを選んでいいのやら……。悩んでいると鈴木さんが声をかけてくれた。

「ウチでは一杯300円から提供しているので、まずはリーズナブルな銘柄はいかがでしょう。マデイラはカクテルのようにソーダやトニックで割ったり、ウイスキーと混ぜて飲んだりと飲み方が幅広い。味がしっかりしているので、エスニック料理や刺し身など、ワインには合わないとされている料理にも合いますよ」

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一度飲んだらクセになる風味豊かなマデイラワイン

 まずはさっぱりとしたマデイラワインのトニック割りをいただく。養命酒のような甘くスパイシーな風味に、爽やかなトニックが抜群に合う。

「マデイラワインはポルトガル発祥で、1700年代半ばに出来たと言われています。もともと大航海時代に、船員が嗜好品として白ワインを積んでいたんです。すると樽詰めされたワインは、長期の航海で熱や日光をふんだんに浴び、煮詰まりながら酸化熟成されていく。その結果、アルコール度数が高くて風味が濃いマデイラワインが完成したんだとか。マデイラワインは酸化して樽熟成が進む唯一のアルコール飲料なので、劣化の進み具合が緩やか。ウチには300年モノもありますよ」

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牛肉・玉ねぎ・マッシュルームを、白ワインやデミグラスソース、ケチャップなどで煮込んだマデイラ地方の伝統料理。1320円

 店主の話を聞いていると、牛肉やマッシュルームを、白ワインにデミグラスソースなどで煮込んだマデイラの伝統料理が出てきた。辛口のワインと一緒にフォークでつつくと、ウイスキーのようなスモーキーな風味が料理と絡み合った。

「’07年の創業以来、20回マデイラに出向いてマデイラワインに関する最新の情報を仕入れています。2015と17年には現地に滞在して、ワイン造りのワイナリー講習を受けたこともありました」

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 店内には200種類弱のマデイラワインが並び、飲食店として取り扱っている本数でギネスに認定されたほどだ。

「僕は今年で64歳になるけど、マデイラを広めたい一心で、去年は一日も休まずに営業していました。お客さんにうんちくを語り始めると止まらなくなってしまいますね(笑)」

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TINTA HEGRA/酸味と甘味が溶け合う、フレッシュな味わい。1950年製。一杯6600円。微かにフローラルでフルーティーな香りがする。ポルトガルで行われるワインコンテストで、全ジャンルのワインの中で最優秀賞を獲得した年も


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BARBEITO/紹興酒のような風味で、やや甘い余韻が残る。1943年製。一杯1万3220円。店を何度か訪れたアントニオ猪木氏の生まれた年に製造されたこともあり店主の思い入れが強い。ボトルが紙ラベルでないのもヴィンテージの証拠


BORGES FAMILY/シナモンの濃厚な香り、口当たりはさっぱり。1720年に製造された世界で2番目に古いマデイラワイン。一杯22万円。200年以上前に樽詰めされた後、1930年頃に瓶詰めされた。風味が凝縮している


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COSSART GORDON/芳醇でスパイシーな香り、甘さと渋さが融合。1845~55年に製造された一品種10年分のワインがブレンドされている。一杯3万6400円。ほどよく酸化熟成されていて中辛口にも感じる

「レアンドロ」
住:東京都豊島区北大塚2-8-6 第2不二ハイツ105
営:平日は12:00~14:00、18:00~26:00、土日祝日は12:00~16:00、18:00~26:00
休:なし
料:ワインは一杯300~22万円。ランチは800円のセットを提供
HP:(https://www.cafebarleandro.com/

レアンドロ撮影/鈴木大喜

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