デジタル

JINSが開発したメガネ型ウェアラブル「JINS MEME」のメリット&デメリット

スポーツ系のウェアラブルガジェットが増え続けるなか、メガネブランドが開発したことで話題を呼んだJINS MEME。実際に使用し、その特徴を解剖した

バランス、姿勢を可視化

 さまざまなウェアラブルガジェットのなかでも、「ライフロガー」と呼ばれるカテゴリに属するJINS MEME。これは日々の運動量や睡眠時間を記録し、スマホアプリと連携するもので、これまではリストバンド型が中心だった。
メガネ型ならではの細かい計測が可能

メガネ型ならではの細かい計測が可能

 JINS MEMEにはフル機能版のJINS MEME ESとスポーツモデルのJINS MEME MTがある。両者に共通しているのはテンプル部分に組み込まれた6軸センサーで、「JINS MEME RUN」というアプリと組み合わせることでランニングフォームや姿勢をつぶさに記録、アプリ上で可視化される。  腕時計型は歩数計としての機能は持つが、装着部が片腕のために、体のバランスのデータ取得には適さない。左右にブレているということまではわかるだろうが、両足の力がどこまでズレているか、ということに関しては取得できようがないのだ。それに対し、JINS MEMEの装着位置は頭部。体の中心軸でありながら足からはもっとも遠い位置にあり、ランニング時の左右のバランスや頭部の動き、かかとの上げ下げまでをセンシングし、アプリ画面上に表示する。実際に試してみると、疲れて無意識のうちにアゴを上げていることまでわかり、驚かされた。  現在提供されているアプリはランニング用。これを徒歩で利用すると、精度はやや下がるものの、やはり歩き方のバランスを指摘してくれる。たとえば腹筋を引き締めて体の軸を意識しながら歩けばブレがなく、右肩に重い荷物をかけていたら右にズレていると指摘され、あえて靴紐を緩めて歩いたら左右に盛大にズレていると言われる。今まで意識したことのない体のバランスが可視化される感覚はなかなか面白い。今後各種アクティビティ用のアプリが開発されていけば、より多くの状況でバランスが可視化できるだろう。  しかし、腕時計型と比べて全域で勝っているのかというと、そうではない。睡眠時も装着できる腕時計型は、睡眠時間や睡眠の質を記録することが可能だが、JINS MEMEは眼鏡型ゆえにベッドでは外さないとならない。防水性も腕時計型のほうが高く、プールなどでの使用は不可能だ。

アタマ年齢の可視化

 JINS MEME ESには眼電位センサーが搭載されており、眼球の動きやまばたきの回数、スピード、強さをセンシングする。さらに6軸センサーで姿勢を検知、それらのデータを総合してJINS MEME APPで「アタマ年齢」を測ってくれるのだ。  具体的なパラメータは集中力、活力、落ち着きの3つ。では、どういう状況になるとパラメータが変動するのか。その判断基準は人気ゲーム「脳を鍛える大人のDSトレーニング」を作った、東北大学の川島隆太教授が監修している。  実際に使ってみると、能動的なデスクワークをしているときは集中力と活力が高くなり、アタマ年齢は30代前後となった。しかし映画などのコンテンツを再生すると、集中力のみが高まり40~50代に。同じくヒーリングミュージックを聴き続けたら落ち着きのみ高得点で、やはりアタマ年齢は40~50代になった。一点集中なスコアの取り方では、脳を活用しきれていないということになるようだ。  また、落ち着きのみ高い状態でベッドに入ると、いつもよりも早く眠りにつくことができた。こういった使い方ができるところにも、他のスポーツ系ウェアラブルデバイスとのアプローチの差が表れていると言えるだろう。 取材・文・撮影/武者良太
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