電力自由化でも、電気代が安くできない「託送料金」のカラクリ

「電力自由化で電気料金は安くなる」。マスコミ報道でよく耳にする“いい話”は本当なのだろうか? そんな“大本営発表”の裏側を徹底検証!!

“抱き合わせ商法”が可能な事業者だけが参入できる!?


電気代が安くできない「託送料金」のカラクリ 今年4月から始まる電力自由化は、企業からすれば、とてつもない巨大市場だ。実は、電力自由化は以前から少しずつ進んでいた。’99年の電気事業法改正では、大型工場やデパートなどの大規模需要家への電気供給が可能になった。そして’03年の改正で、中小工場やスーパーマーケットなどの中規模需要家への供給を、新電力会社が行えるようになったのだ。

 今回、一般家庭や小商店などの小規模需要家も対象となり、その市場規模は約8400万件で7兆5000億円に上る。1月6日時点ですでに119もの企業が新電力会社として認可され、まだ増える見込みだ。

 新電力会社を選ぶ決め手はいくつかある。まず「電気代が安い」かどうだ。そして、どのように生み出された電気であるかだ。火力や原発に頼らない電力を使いたいと思う人は再生可能エネルギー由来の電力を探し、電気の地産地消を望む人は「地域限定」の電力を探すことになる。こうした需要に合わせ、大手の事業者はすでにプランを出している。

【東京ガス】
電力とガスのセット購入で年4000~5000円安くなり、加えてネット接続の契約で年1万2000円程度安くなる。

【東急電鉄】
電気代を数%安くし、ケーブルテレビとのセット契約で月350円割引。定期券とのセット割も用意。事業開始後10年間で約50万世帯の契約を目指す。

【三菱商事・ローソン】
電気使用料に応じPontaポイントが貯まる特典などを検討中。

【ソフトバンク・東京電力】
月の使用電力300kWhまでを定額に。それ以下の使用量なら未使用分をTポイントか携帯電話のデータ量として還元。契約期間の2年間で1万2000円安くなる。

【大阪ガス・イーレックス】
5%安い電気供給を目標に。4人家族なら約7500円安くなる。

電気代が安くできない「託送料金」のカラクリ


電気代が安くできない「託送料金」のカラクリ 実に多業種が参入し、その多くが他の商品との抱き合わせの「セット割引」で顧客獲得を目指している電力自由化。しかし電気料金単体では一気に1割引き、2割引きとはいかないようだ。

「多くの会社は、ほかの料金との抱き合わせ商法で安く見せているだけです。実は、自由化されても、電気代単体では絶対に安くできない理由があるんです。それは託送料金の存在です」と説明するのは、環境活動家の田中優氏。

「託送料金」とは発電事業者が、発電した電気を東京電力などの電力会社の送電線を使って送る場合、電力会社に支払う「使用料」だ。

「自由化といっても、自由化されたのは発電部門だけ。肝心の送電の自由化は’20年まで延ばされました。つまり、発電しても送電するのには電力会社の送電線を借りなければならない。そのために支払うのが『託送料金』です。1kW通すだけで、全国平均で約9円を支払わなければなりません」

電力自由化のイメージ 田中氏によると、発電するコストや電気を卸してもらうコストなどに1kWで約11円かかるので、新電力会社は必要経費だけで約20円を費やす。そして、現在の電気料金は1kWで約25円だ。

「つまり、電力会社と同じ料金で一般家庭に売っても、1kWで約5円の儲けにしかなりません。月300kWを使う家庭からでは1500円の利益しかない。数万世帯と契約しなければ、事務所の維持費や人件費、配当などを賄うことは不可能。これでは地域内の数百人や数千人が対象の小規模な新電力会社はやっていけません」

 福島第一原発の爆発事故を機に、エネルギーを県内で100%自給しようとの趣旨で設立された「会津電力」は、’14年10月から合計2.5MW(約800世帯分)の太陽光発電を行っているが、今回の自由化には参入しないという。

会津電力の折笠営業本部長

「託送料金の問題がクリアできなければ、私たちのような小規模事業者が電力単体で勝負するのは不可能です」と語る、会津電力の折笠営業本部長

「自由化への参入はいつかはやりたいと思っています。でも現状では一般家庭への売電は利ザヤが小さすぎて、電気代がかなり高くなってしまう。ましてや、私たちは人員も施設も資金も限られています。今回は参入を見送ることにしました」(折笠哲也営業本部長)

 会津電力だけではない。全国には、一般市民からの投資で建設された数十もの市民風車が稼働しているが、そのほとんどすべてが「自由化には参入できない」と口を揃える。現時点で参入を表明しているのは、大阪市の「いずみ生協」と札幌市の「コープさっぽろ」など限られている。

取材・文/樫田秀樹 写真/鈴木 麦
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