過去5年間で相場が変わらない高級腕時計ベスト3 大きく値下がりしない安定した価値が魅力!?
―[腕時計投資家・斉藤由貴生]―
腕時計投資家の斉藤由貴生です。近年、数多くの腕時計が値上がりしているため、「高くなったから買いづらい」と思っている人もいるかもしれません。しかし、以前の記事でもお伝えしたように、一度高くなったと思っても、そこからさらに高くなることもあるため、高いと思ったときに買っても「結果的に得」となることもありうるのです。
とはいえ、単に「値上がりしていないモノを買いたい」と思う人もいるでしょう。ということで今回、「高くなった腕時計は嫌だ」という人のために、ここ5年で相場がほぼ変わっていない高級腕時計をご紹介いたします。
腕時計は、値上がりも値下がりもするのが面白い点で、ここ数年で大きく値上がりしたモデルと、逆に値下がりしたモデルとが存在。しかし、それら変動する腕時計に対して「相場がほぼ変わらない」というモノも存在します。それらは、値動きがあまりないため、値上がりしなさそうである一方、値下がりリスクも低い存在と言えるかもしれません。ですから今回のランキングでは、“値上がりランキング”でも“値下がりランキング”でもなく、『相場が変わっていない腕時計ランキング』というものをお伝えします。
■3位 カルティエ カリブルドゥカルティエ W7100016
2012年から2017年で変化した額:マイナス3.8万円
2010年にカルティエが発表した男性用モデル「カリブルドゥカルティエ」は、自社ムーブメントの搭載が話題となったモデル。デビュー当時は革ベルト仕様だったのですが、翌年2011年にこのブレスレットモデルが追加されました。人気はきちんと高く、「自社ムーブメント搭載」という点も時計ファンから人気が高い要素です。そのため、2014年頃は一時的に高くなりましたが、今では値下がりし2012年より少し安いぐらいの中古相場となっています。ちなみにカリブルドゥカルティエは、2014年に高くなっているというように値動きしたことのある腕時計ですが、現在の相場は多くの時計が今より安かった2012年と比べてほぼ値動きしていないため、今回は相場が変わっていない腕時計として紹介しています。現在70万円以上のロレックスGMTマスター2は2012年頃このカルティエより安いぐらいの存在でしたが、値上がりしたため比べる対象ではありません。2012年当時においてかなり高い腕時計というポジションだったこのカルティエですが、ライバルとされた時計が値上がりしたために、今では安く感じる対象となっています。ですから、5年前より少し安いぐらいの相場というこのカルティエは、なかなかお得に見える存在です。
■2位 IWC インヂュニア IW322701
2012年から2017年で変化した額:マイナス3万円
2012年において30万円台後半という相場だった「インヂュニア」。長らく、IWCの腕時計はロレックスと同等か、少し高いぐらいの相場という傾向がありましたが、それは5年前でも同様でした。インヂュニアは、磁気に強い時計というキャラクターであり、ロレックスのミルガウスのライバル的存在。ミルガウス(116400)は2012年だと30万円台後半という相場だったため、インヂュニアと同価格に位置していました。現在ロレックスとしてはあまり値上がりしていないミルガウスですが、それでも50万円以上という相場まで上昇したため、インヂュニアより遥かに高い時計となっています。このインヂュニアのように、“ブレスレットタイプのシンプルな自動巻モデル”という存在は需要が高く、人気となる傾向のモデル。しかし値上がりすることもなく、現在2012年より3万円程度安く買えるという状況です。ちなみに、2011年頃においてこの時計、新品実勢価格はなんと60万円近いという状況。その頃においては、ロレックスより高級な存在だったのが、今ではロレックスと相場が逆転。5年前まで“高いイメージ”だった時計を安く買えるという見方もできる時計です。
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある
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