【パレスチナ・ガザ地区住民の悲鳴】報道されない小規模な空爆は日常的に行われている

パレスチナ・ガザ地区

イスラエル軍の空爆を受けたガザの街。大きな被害を出したときしか報道されないが、実は小規模な空爆は日常的に行われている

 7月13日未明、ついにイスラエル軍がパレスチナ・ガザ地区に特殊部隊を侵攻させた。前回イスラエル軍地上部隊が侵攻してきた際には、パレスチナの民間人約1400人が殺害された。今回の侵攻ではすでに168人が死亡。そのうち80%が民間人で、21%は子どもだ(7月13日国連発表)。まだ本格的な地上侵攻には至っていないが、それが現実のものとなればさらに膨大な死者が出ることになる。緊張が高まる現地の声をレポートする。

 ガザ地区の北部ベイト・ハヌーンに住む主婦のアマルさんは緊迫した声で話した。

「厳しい空爆があちこちで続いています。私のいとこも家族とともに殺されました。私と4人の子どもたちも、恐ろしくて眠ることができません。今日(13日)、イスラエル軍は給水タンクや家の周辺を何度も攻撃しました。ウンム・ヤヒヤ通りでは、F16戦闘機の攻撃で3人の子どもが殺されています」(アマルさん)

 ガザ地区北部に住む主婦のヘクマットさんは1児の母で、子どもはまだ1歳半。

「今回の空爆で、私の叔母が殺されました……。私の家のすぐ裏にも爆弾が投下されました。子どもたちのことが心配です。息子が熱を出しているのですが、いっこうに下がりません。医師の話では、空爆の音のストレスだということです」(ヘクマットさん)

⇒【写真】はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=680262

パレスチナ・ガザ地区

ヘクマットさんの家の裏に空爆が始まった。JVCの現地ボランティアが住むガザ中部デル・バラ地区も空爆された

 ガザ地区では、事業を停止する医療機関もある。小児病院を運営するNGO「アルド・エル・インサン」は地域に密着しながら児童の訪問診療を含めた医療活動を行っていた。アドナン・アル・ワハイディ院長は「断腸の思いで病院を閉める決断をした」と語る。

「イスラエル軍の攻撃に伴い、すべての診療・事業を停止することにしました。残念ながら停戦が実施されるまで再開は難しいでしょう。イスラエル軍は町を歩く者だけでなく、家の中にいる者まで狙い撃ちしてきます。現状では、安全の確保は困難です。ただただ停戦が早く行われることを望むだけです。患者の中には、我々のケアがなくては命にかかわる子どももいるのに……」(ワハイディ院長)

 パレスチナ自治区・ガザ市内の医療NGO「パレスチナ医療救援教会」(PMRS)で被害者の救援を続けるアイード・ヤギ医師は現在の病院の状況をこう語る。

「空爆のせいでしょうか、病院に電気は来たり来なかったりという状況です。薬も不足気味。搬送されてくる負傷者のうち子どもは25%、女性が15%です」

 ガザ地区で活動する日本のNGO、日本国際ボランティアセンター(JVC)の現地担当・金子由佳さんは子どもたちの栄養失調改善のための活動で、事務所のあるエルサレムから毎月ガザを訪れている。

パレスチナ・ガザ地区

エルサレムに駐在し、ガザ地区の支援を続ける金子由佳さん(中央)

「ガザ地区は『生かさず殺さず』の、極めて特異な人道状況にあります。現在、東京23区の6割程度の大きさに180万人の人たちが押し込められている。モノが不足している現地に私たちが支援物資を持ち込もうとしても、イスラエルの検問で止められることがたびたびあります。2012年の空爆の際は、空爆被害者のために救急セットを持ち込もうとしたのですが、1週間も足止めされました。

 支援団体の物資だけではなく、食料や日用品も同様にイスラエルが管理しています。そのため栄養失調が蔓延。今回は大規模空爆なので大きく報道されていますが、小規模な空爆は日常的に行われています。私は毎月ガザに入っていますが、夜半に空爆の音で目が覚めることもあります。

 JVCではガザ地区で栄養失調児の栄養改善を支援してきて、やっとその成果が見えてきていました。昨年度は1130人を支援、うち7割の子どもたちに改善が見られました。支援活動を通して、夢や希望を語る現地ボランティアたちも増えてきていました。ところが、空爆のせいで事業が停止に追い込まれてしまいました。事業の成果も、育ってきた夢や希望も一瞬にして破壊されたのです……。

 私たちの支援は日本の方々の善意の寄付で成り立っています。どんなにたくさんの支援をいただいて、私たちが苦労して支援を続けてきても、壊されるときは一瞬。今は悲しさと怒りでいっぱいです」(金子さん)

※日本国際ボランティアセンター(JVC)パレスチナ事業では現在、2万3000人の学生・市民を対象とした「東エルサレムにおける学校保健・地域事業」と、6000人の女性と1300人の子どもを対象とした「ガザ地区の母子栄養失調予防事業」を行っている。これらの事業について、ガザの最新情報を含めて公式サイトで発信中。http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/palestine/

<取材・文/白川愚童 写真/日本国際ボランティアセンター>

肉体改造やジェンダーレスな美しさよりも30~40代には大事な血管年齢の話

肉体改造やジェンダーレスな美しさよりも30~40代には大事な血管年齢の話
sponsored
 例えば、テレビ番組などで昭和の映像を見たりすると、最近の人は(特に若者は)、ずいぶん洗練されたなあと思ったりしないだろうか? 「人は見た目が9割」と…

連載

ばくち打ち/森巣博
番外編その3:「負け逃げ」の研究(17)
メンズファッションバイヤーMB
GUの「大人が買っても後悔しない」マストバイBEST3
山田ゴメス
“いいヤリマン”を見分ける方法。その娘の性癖を見ればわかる!?
オヤ充のススメ/木村和久
オリンピック成功の鍵を握る開会式…東京五輪はどうすべきか
フミ斎藤のプロレス講座/斎藤文彦
ビンス無罪“ステロイド裁判”エピソード12=オシェー検事の逆襲――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第165回
英語力ゼロの46歳バツイチおじさんが挑む「世界一周 花嫁探しの旅
「勇気を振り絞れ俺! ここしかないぞ俺!」――46歳のバツイチおじさんは満天の星空の下で勝負に出ようとした
原田まりる
ファミレスで隣の席の会話に聞き耳を立てていたら、大喜利を観覧したような気分になった話
大川弘一の「俺から目線」
鳴り止まない電話――連続投資小説「おかねのかみさま」
プロギャンブラー・のぶき「人生の賭け方」
“リオ五輪ロス”効果で恋を引き寄せるスポーツ3選
フモフモ編集長の今から始める2020年東京五輪“観戦穴場競技”探訪
吉川晃司もやっていた“東京五輪最強の穴場”競技とは?
18歳女支配人・このみんの経営学「私のミカタ」/園田好
わたしと「結婚したい」という男性へ
おじさんメモリアル/鈴木涼美
「顔じゃなくて知性で女を選ぶ」男の無知性
僕が旅に出る理由 in India/小橋賢児
北インド秘境で「宇宙に住んでいる」と実感した——小橋賢児・僕が旅に出る理由【最終回】

投稿受付中

バカはサイレンで泣く 投稿受付中
佐藤優の人生相談 投稿受付中