戦闘か、武力衝突か?「稲田防衛相、現地をちゃんと見てください」と南スーダン支援NGOスタッフが訴える
稲田朋美防衛相の、南スーダン国連平和維持活動(PKO)に関する衆院予算委員会での一連の答弁がさかんに報道されている。
「これが『戦闘』でないなら、何と呼べばいいんでしょうか。稲田防衛相に、『現地をちゃんと見てください』と言いたいです」
こう語るのは、南スーダン支援を行う日本国際ボランティアセンター(JVC)の今井高樹さん。現地の様子を知る、数少ない日本人だ。
今井さんは現在、隣国スーダンに駐在中。国境を超えて南スーダンの首都ジュバへ入り、避難民への医療・食糧支援などを行っている。
「昨年7月の大規模戦闘では、ジュバ市内に1万人ほど駐留していたといわれる政府軍(大統領派)が、市内に数か所ある反政府軍(元副大統領派)の拠点をロケット砲などで攻撃。特に、市内西部の拠点に対しては戦車や軍用ヘリも動員されました。これに反政府軍も対空砲で応戦。自動小銃で撃ち合いなんていうレベルのものじゃないですよ。戦闘が激しかった地域では、たくさんの家が燃やされ、破壊されました。
私はその時はジュバにいなかったのですが、私の友人たちがみな戦闘の様子を目撃しています。友人の一人は、『戦闘の間は家の中に隠れ、鎮まったので外に出たら死体がゴロゴロ転がっていた』と言っていました。
民間人もたくさん巻き込まれています。正確な数字は誰にもわかりませんが、当時ジュバにいた外国人の援助関係者の中では『1000人以上は亡くなったのではないか』と言われています」(今井さん)
防衛省は2月7日、当初は「廃棄した」と説明していた陸上自衛隊の日報を一部黒塗り開示。この日報に、陸自が活動する首都ジュバ市内で昨年7月に「戦闘が生起した」と記載されていた問題で、稲田防衛相は「法的な意味の『戦闘』ではなく、『武力衝突』だ」と説明していた。
多くの家が燃やされ、破壊され、死体がゴロゴロ転がっていた
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