魚フライに釘、牛丼食べたら口の中が血だらけetc. 異物混入事件の被害者が語る
マクドナルドのチキンナゲットやまるか食品の「ペヤングソース焼きそば」などの異物混入事件が相次いだことで、日本が誇る食の“安全神話”が揺らいでいるが、これを裏付けるデータが先ごろ国民生活センターから発表された。
1月26日に同センターが行った報道発表によると、虫やビニール片、プラスチック片などの異物が「食料品」や「外食・食事宅配」に混入していたとする相談件数は、2009年以降、1万6094件(累積数)に上っていたことが明らかになったのだ。
2014年度の受け付け分を見ると、異物のなかでももっとも多いのは「ゴキブリ」や「ゴキブリの足」「ハエ」「ハエの幼虫」「ゴキブリやハエ以外の虫」など虫類が345件とトップ。「毛髪や体毛など」「歯、歯の詰め物など」「爪、つけ爪など」「ばんそうこう」といった人の身体に係る異物も202件に達している。
だが今回、同センターが発表したデータのなかでもっとも驚かされたのは、消費者が異物に気付かず口にしてしまい、実際にケガをするなどの「危害情報」が、実に2583件にも上っていたという点だ。
⇒【資料】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=787848
危害内容の内訳(※資料参照)は、口腔内を切ったり、歯が欠けるなどの「刺傷、切傷」が85例、加えて、咀嚼した異物を嚥下させたことで「消化器障害」を負ったケースは76例あったという。これは、「カッター、刃物」「ステープラー(ホチキスなど)の針」「針金、釣針」といった「金属片など」の混入が思いのほか多く、253事例もあったことが影響したと思われる。
以下は、国民生活センターに寄せられた被害者の声というが、どれもにわかには信じがたい悪質なケースばかりだ。
「食料品店の総菜コーナーで買った魚のフライを食べた夫がその日のうちに腹痛と嘔吐をもよおし、嘔吐物には魚の皮が巻きついた頭の無い約5cmの釘が入っていた。すぐに病院へ行き胃カメラで検査してもらったところ、胃に穴は空いておらず、荒れているだけだと10日分の薬を処方してもらった。今、釘は看護師に預けてある。購入店に苦情を伝えたが何もしてくれない」
(2014年11月受付、事故発生年月不明、被害者:60歳代、男性)
「牛丼屋で牛丼を食べたら骨が刺さり、口の中が血だらけになった。調べてもらったら謝罪された。事業者相手に何ができるか知りたい」
(2014年10月受付、2014年10月発生、被害者:30歳代、男性)
「ファミリーレストランでパフェを食べた。食べている途中に中から5mmほどのガラスの破片がでてきた。店員に伝えたところ、『大丈夫ですか』と言われた。その後5日経過するが電話がない。発信番号通知サービスなので着信の記録が残るが、一度もかかってきていない」
(2014年4月受付、契約者:50歳代、女性)
国民生活センターでは、「食品を口にして、嘔吐、下痢、腹痛などの症状がある場合は、食中毒のおそれがあるため、すぐに医療機関を受診し、可能であれば診断書や受診・治療した記録等を残しましょう」とアドバイスしているが……。「食の安全神話」など単なる幻想であり、これからは、自分の身は自分で守るというスタンスで「食」と対峙すべきなのだろうか。<取材・文/日刊SPA!取材班>
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