貧乏から脱出できた節約の成功体験「何か『ひとつ』だけやめる」
―[[中流でも貧乏]から脱出する方法]―
世の中には、ド貧乏というほどではないにしても、生活が相当に厳しい、いわゆる“家計が火の車”状態の家庭が多数存在する。今回、SPA!が取材したのは“年収300万~600万円”という“中流”に属しながら、一時は貧困に苦しみ、一念発起してV字回復を果たした家庭である。身に染み付いた浪費グセを直すのが難しいことも、極端な節約が長続きしないことも、我々は身をもって知っている。だからこそ、彼らの“成功体験”は、貧乏脱出へのリアルな道筋として、参考になるはずだ。
◆何かを「ひとつだけ」やめる!
あれもこれも節約せねばと思うと心が荒むが、何かを「ひとつだけ」やめることで、芋づる式にほかの出費もなくなった――という報告が多いことに注目したい。
「僕の場合、車を手放しました」と話すのは、カメラマンの佐藤志功さん(仮名・43歳)。「仕事に車は必要だと思っていたんですが、儲かっていないのに経費だけかかっても仕方ないですよね(苦笑)。仕事で必要なときはカーシェアを利用するようにしたところ、駐車場とガソリン代を払っていた頃に比べて、月1万~2万円は浮くようになりました」
これだけでは大したことがないようだが、「仕事以外に車を使わなくなったので、レジャーでもショッピングモールや遊園地へはほとんど行かなくなり、その点でも節約になってます。家の近所に公園がたくさんあるので、週末は子供たちとそこで過ごしていますね」
“家の引っ越し”にも、実は家賃の差額分以上の効果アリ。都心で子供なしのDINKS生活を謳歌していた狩野光彦さん(仮名・37歳)夫妻の場合、余った生活費や奥さんの稼ぎをことごとく食べ歩きや飲み歩きに注ぎ込むという“キリギリス”的な生き方から卒業できたのは、引っ越しがキッカケだったという。
「中野から、嫁の実家に近い都心から1時間のベッドタウンに引っ越しました。今の家のほうが格段に広いので、家賃は13万円→10万円とそこまで減っていないんですが、外食がほぼゼロになったのが大きいですね」
そんな現状に“都落ち”感はないのだろうか?
「最初は、常連だったレストランやバーを恋しく思う気持ちもありましたが、日に日に薄れていきました。だって近くにないものはしょうがないから。今ではすっかり自炊派です。料理本で“ホウレンソウ炒めをプロ並みに作る方法”を発見して、ハマってますよ!」
もうひとつ、これをやめるだけで芋づる式に出費が減るもの――それは「口コミを見ること」。
「食べログを見ないようにしようと決めてから、外食はかなり減りましたね。『3.9』がついているのを見た途端に行ってみたくなるけど、知らなければ引っ掛かりもしない店は多い。価格コムも然り。スルーしようと思っていたスマホの新機種に『発売日に買いました!』みたいなテンションの高いレビューを見るとつい心が動きますが、見なければ無問題。いったん距離を置くと、自分がいかに他人の意見に踊らされていたかビックリしますよ」(35歳・税理士)
何事も“やめる”のはツラいことのように思えるが、意外と現実を受け入れるのは簡単なもの。まずは“ひとつだけ”やめてみることから始めよう。
★これを“やめる”と効果的!
・車を所有する
・都心の家に住む
・口コミの評判に踊らされる
・やめたらツラいのではと思い悩む
・節約項目を細かく設ける
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