捕まえた空き巣の下半身をスマホで撮ってSNSで拡散。被害者が私的制裁を加える中国の「スマート私刑」

 街頭の柱に後ろ手に縛りつけられ、なす術もなくたたずむ中年男に、道行く人々の奇異の目が刺さる。

スマート私刑されたアヒル泥棒

スマート私刑されたアヒル泥棒(広西チワン族自治区の農村)

 これは10月半ば、中国SNS上で拡散した画像だ。『新浪新聞』(10月24日付)によると、浙江省余姚市の路上で撮影されたもので、縛られていたのは女子中学生にストーカー行為を働いた50代の男。被害者の家族が捕らえ、私的制裁を加えたというわけだ。

 また、11月2日には広西チワン族自治区南寧市の食肉市場で、羊肉を万引しようとした中年女性が取り押さえられた。彼女は「羊肉を盗みました」と書かれた紙を背中に貼られたうえ、鎖で縛りつけられ、警察が鎖を切断するまで放置されたという(『新華網』)。

 警察や司法への不信感が根強い中国では、これまでも窃盗犯や性犯罪者に対し、被害者や関係者が私刑を加えることは少なくなかった。だが、袋叩きのような暴力的な私刑から、新たな潮流が生まれつつある。中国人ジャーナリストの周来友氏はこう話す。

「最近では、私刑で暴行を加えたほうが逮捕されるケースも増えている。そこで流行しているのが、捕らえた犯人を拘束して人前に晒すという懲罰。現代社会では野次馬が“受刑者”をスマホで撮影し、SNSにアップするので、懲罰効果はかつての数百倍になった」

 まさに「スマート私刑」とでも呼ぶべきだろうか。広東省広州市在住の日系工場勤務・戸田誠さん(仮名・46歳)の元にも最近、チャットアプリ経由で、“公開処刑写真”が届いた。

「近隣住人から微信(中国版LINE)で、痴漢が街路樹に括りつけられた画像が送られてきた。『最低10人に転送!』と、不幸の手紙のようなリクエスト付きでね(笑)。犯人が受ける社会的制裁はかなり大きいでしょう」

 スマート私刑は刑法で保護される少年犯罪にも威力を発揮する。広東省東莞市のメーカー勤務・高島功夫さん(仮名・38歳)の話。

「ウチのマンションの警備員が空き巣を捕まえたんですが、聞けば15歳。警察に引き渡しても罪に問われないので、住民たちは彼の下半身を露出させたうえで、『私は泥棒です』と書かれた札をクビから吊るし、スマホで写真を撮ってネットにアップするという制裁を加えていました。残酷ですよ」

 しかし、中国在住のフリーライター・吉井透氏はスマート私刑の限界を指摘する。

「『恥の文化』を持つ日本人なら、ストーカー容疑で街頭に晒され、その画像がネット上に拡散したら、もう外を歩けないと思うでしょう。しかし中国の犯罪者は、それほどヤワじゃない。晒し刑には社会的制裁や見せしめとしての効果はありますが、犯人が受ける精神的ダメージはそれほどでもない」

 そんななか、暴力による制裁の後に晒し者にするという私刑も行われている。『貴陽晩報』(11月2日付)によると、貴州省の農村で犬を毒殺したうえ持ち去ろうとした男2人が村民らに捕まった。村民らは、彼らを袋叩きにしたうえ電柱に縛り付け、毒殺された犬を彼らの首からかけた状態で、約10時間にわたって拘束したという。さらに昨年、広西チワン族自治区でも、犬泥棒に対し同様の制裁が加えられている。結局、「以暴制暴(暴力をもって暴力を制する)」しかないということか……。 <取材・文/奥窪優木>

週刊SPA!連載 【中華人民毒報
行くのはコワいけど覗き見したい――驚愕情報を現地から即出し

中華バカ事件簿

激動の現代中国社会をイッキに覗き見!中国実話120選

新感覚の氷点下ハイボール「ブラックニッカハイボール(350ml)6缶セット」を抽選で10名様にプレゼント

NIKKA
sponsored
「フリージングハイボール」とは、 クセのないクリアな飲み心地のブラックニッカ樽詰めハイボールを使いアサヒビールが独自に開発した氷点下(-2℃~0℃)抽…

合コンで「痛い男」認定される言動――初対面で年齢や容姿をいじる、勝手な判断やアドバイスをしがち…

合コンで「痛い」認定される男の発言には特徴がある
 飲み会や合コンでは、日夜「痛い発言」が飛び交っている。どんな発言が痛いと思われてしまうのか。ツイッターで男性の勘違いや女心の機微をつぶやいて多くのR…

連載

ばくち打ち/森巣博
番外編その3:「負け逃げ」の研究(31)
メンズファッションバイヤーMB
オーダーシャツが4980円でつくれる激安時代、プロも驚く採寸システムとは?
山田ゴメス
女子の間で秘かに流行りつつある「朝セックス」ブームは、男にとっても好都合なワケ
オヤ充のススメ/木村和久
竹原ピストルがオヤジのハートを鷲掴みする理由
フミ斎藤のプロレス講座/斎藤文彦
ブレット対ストーンコールド=序章――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第235回(1996年編)
英語力ゼロの46歳バツイチおじさんが挑む「世界一周 花嫁探しの旅
「今夜、君に恋に落ちてしまいそうだぜ」――46歳のバツイチおじさんはクサすぎるセリフをさらりと口走った
原田まりる
芸の細かさが目立った2016年地味ハロウィン
大川弘一の「俺から目線」
平穏を望む銀座ホステス・美琴――連続投資小説「おかねのかみさま」
プロギャンブラー・のぶき「人生の賭け方」
一流芸能人GACKTのギャンブルセンスをプロギャンブラーが採点
爪切男のタクシー×ハンター
チンコのような温かさで私を強くきつく抱きしめて
フモフモ編集長の今から始める2020年東京五輪“観戦穴場競技”探訪
希望の星は16歳のJK! ジャッジ次第で天国と地獄[五輪最恐の採点競技]とは?
元SKE48/SDN48・手束真知子の「フリーランスアイドル論」
アイドルはいつでも迷っているんです「集客ができない! フォロワーが少ない! 肩書きがない…」
おじさんメモリアル/鈴木涼美
「ね~え、一緒にお風呂入ろう?」リーマンショックで落ちぶれたおじさんの哀号
僕が旅に出る理由 in India/小橋賢児
北インド秘境で「宇宙に住んでいる」と実感した――小橋賢児・僕が旅に出る理由【最終回】

投稿受付中

バカはサイレンで泣く 投稿受付中
佐藤優の人生相談 投稿受付中