更新日:2022年06月29日 09:47
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ピース又吉CMで話題の「ドミネーションズ」から見えるスマホゲーム課金事情【コラムニスト木村和久】

― 木村和久の「オヤ充のススメ」その107 ―  最近フェイスブックなどで、ゲームの紹介が続々アップされ、ちょっと困惑しております。たぶん年齢や嗜好のマーケットをしているから、オヤジ向けの戦略・戦争系のシミュレーションゲームが多いのでしょう。でも何ゆえ戦略シミュレーションが、オヤジにモテはやされるのか。今回はその謎を、課金に的を絞って話を進めます。  昨年の暮れからスマホゲームの主戦場を「ゲームオブウォー」から「ドミネーションズ」に変えて、すこぶる楽しいゲーム生活を送っております。「ドミネーションズ」は、ピースの又吉・綾部のCMが流れる前からやっており、ヒットゲームを見つける嗅覚は、そこそこあるなと自分で思いました。  2年越しで、今も細々とやっている戦争シミュレーションの「ゲームオブウォー」ですが、この課金システムは異常でした。もちろん無課金でもできますが、強くなりたいと思うと、ついお金を払ってしまう。ゲームに乗せられて、1年半で10万円ぐらい払ったでしょうか。それで強くなったかと思いきや、相撲で言うと前頭筆頭ぐらいですか。上には上がおり、スーパーサイヤ人クラスがごろごろいます。10万円も払って強くなれないゲームってどうなのと、憤りを感じます。  それでどうしようか悩んでいるときに「ドミネーションズ~文明創造~」に出会ったわけです。ふたつのゲームは、戦略シミュレーション系といわれているもので、20年前ぐらいのPCゲーム「エージオブエンパイア」あたりが、源流のようです。  ただ決定的に違うのは、ドミネーションズの方が、お金がかからない。最初に開始のご祝儀として1200円を課金したけど、あとは無課金ですこぶる、順調にゲームが進行しています。もちろん成長の万能アイテム「クラウン」を、1万円程度で売ってますが、それを必要としなくても、充分戦争で勝利して、次のステージへ進めます。  スマホゲームは、基本課金は戻りません。ゲームをリタイヤした段階で、課金が水の泡として消える。だから悔しいので、辞めれない。ただ同じ課金でも、すでに家庭用ゲーム機の移植版みたいなゲームには、お金を払う気はしません。有名なロールプレイングゲームや、アクションゲームでも課金がありますが、大いに疑問です。以前は、同じゲームを6000~7000円程度で出来たのに、なんで高額な課金をしなきゃならないのと思うでしょ。しかも、ゲーム展開を知っているから、ここを凌げば楽になるって分かるし。  要するに、人間は「価値観が分からない、得体の知れないものにお金を払う」んですな。そういう意味では、新しいゲームじゃないと、課金営業はやりづらいのです。  課金で一番お金を払うのは、子供ではなくて、お金を持っている社会人です。ずばりオヤジ世代と言われてます。だから「ゲームオブウォー」は、オヤジのユーザーが多い。チャットじゃ、キャバクラやゴルフ、高級外車などの話題が頻繁に出てますから。要するに「1000円課金の子供100万人と、10万円課金のおやじ1万人は、同じ売り上げ」になるのです。  つまり自動車業界で言われている「軽自動車100台売った利益と、スーパーカー1台売った利益が一緒の理論」が、スマホゲームにもあてはまるのです。  ゲーム屋さんは、結構シビアなマーケッティングをして、いかに課金させるか、手ぐすね引いて待っています。実はスマホゲームの対戦相手はユーザーではなく、ゲーム屋さんではないかと思ってます。
木村和久

木村和久

 つまり無課金に近いものでゲームを楽しめたら、ユーザーの勝ち。大枚叩いてしまったら、ゲーム屋さんの勝ち。そう考えると「ゲームオブウォー」って、歌舞伎町のボッタくりキャバクラに近かったかも~。そして「ドミネーションズ」は、良心的な六本木のガールズバーって感じですかね。 ■木村和久(きむらかずひさ)■ トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦
トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦。著書に『50歳からのかろやか人生』
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