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20年後は7世帯中1世帯が独居老人に!葬られることが贅沢になる日本の将来

 こういった身寄りの無いお年寄りは今後どんどん増えていきます。今は、完全ではないとはいえ行政の社会保障がなんとか機能しているので、孤独死という最期を迎えても葬られることが可能です。しかし、今後さらに未婚化、少子化、高齢化が加速。今の30~40代の世代が老人になる2038年には死亡人口がピークの170万人に達します。そのころには、全世帯に占める「独居老人(一人暮らしのお年寄り)」世帯の比率が15%を超えると言われているので、身寄りの無い老人の孤独死が大量に発生していることでしょう。そのとき彼ら彼女らを葬ることが可能なのでしょうか? 「お葬式をしなければお金がかからないのでは?」と、考える方もいるかもしれません。しかし、お葬式はしなくても遺体の火葬はどんな時代も必要です。現在、火葬のみを行った場合のコストは大体20万円くらい。生活保護を受けていたお年寄りの場合、行政がお金を出していますが、いずれ財政難でそれもままならなくなるでしょう。  最近、身寄りの無いお年寄りが自分自身の葬儀の事前相談にいらっしゃるケースが増えてきました。「もし自宅で亡くなった場合、だれが葬儀屋さんに連絡を入れてくれるのでしょうか?」。彼ら彼女らは暗い表情でつぶやいて私は言葉に詰まってしまいます。韓国では病院に葬儀場が隣接しているところが多いそうです。将来日本でも、合理化のために病院の隣に火葬場を建てる、そんなブラックジョークが現実にならないとも限りません。  葬られることが贅沢、そんな未来がすぐそこまで来ているのです。 【考える葬儀屋さん】 葬儀社に15年以上勤務し、業界内部を知り尽くしたその道のプロ。業務内容はお葬式の担当と葬儀・葬儀業界の分析。Twitterアカウントは@kangaerusougiya。「ライブドアブログOF THE YEAR 2015」にも選ばれ、月間45万PVを突破した「考える葬儀屋さんのブログ」も日々更新中。
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