更新日:2022年07月07日 19:07
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中学生の自殺は17年ぶりに年間100件を超えていた…大型連休明けには注意

大型連休明けには注意を

 とりわけGWなどの大型連休明けには注意が必要だ。自身がその当事者となってしまう可能性も高くなる。  昨年夏、内閣府が発表した「18歳以下の日別自殺者数」を見ると、子どもの自殺が一番多い日は9月1日。中高生にとっては新学期が始まるこの日に、過去42年間で131人も命を絶っている。「春休みやゴールデンウィーク等の連休等、学校の長期休業明け直後に自殺者が増える傾向がある」(内閣府『平成27年版自殺対策白書』)と報告されており、4月11日、4月8日、9月2日、8月31日と続く。その次に多いのは実は5月上旬だ。 電車 4月は子どもだけでなく、大人も転勤や転職、昇進と環境の変化が大きく強い緊張感の連続にさらされる。張りつめていた気持ちが一気にほどける連休明けは、誰しも気をつけないといけない。「五月病」という言葉もあるくらいで、連休明けのこの時期は心身ともに疲れが出てくるのだ。  今年4月から施行された「改正自殺対策基本法」には、子どもの自殺防止策強化が盛り込まれており、それだけ日本の若者たちの自殺が深刻化していることがうかがえる。人間関係などで追い込まれたら、ときには「逃げる」姿勢も大切だ。  ここで最後に、2015年の週刊SPA!3月17日号に掲載され、たびたび反響を呼んでいる作家・演出家の鴻上尚史氏のコラムを以下に一部引用する。 <逃げる前に「遺書」を書き、台所に置いて、学校に行かず、一日中、ブラブラして、大人達に心配をかけて、「死に切れなかった」と言って戻ってきなさい。それでもダメなら、学校宛てに、あなたをいじめている人の名前書いて送って、そして、その学校から逃げなさい。大人だって、会社が嫌なら逃げているのです。逃げることは恥ずかしいことではありません。逃げて逃げて、逃げ続けるのです。  大丈夫。この世界はあなたが思うよりはるかに広いのです。どこかの山にも南の島にも、あなたが生き延びられる場所はあるのです。とにかく逃げなさい> <取材・文/北村篤裕>
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この世界はあなたが思うよりはるかに広い

本連載をまとめた「ドン・キホーテのピアス」第17巻。鴻上による、この国のゆるやかな、でも確実な変化の記録

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