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「テラスハウスの一員になろう」――46歳のバツイチおじさんはイケメン&美女集団に溶け込もうとした〈第23話〉

翌朝、お腹が空いたので昨日の夜に若者がたむろっていたカフェテラスに朝ごはんを食べに行くと、昨夜いたイケメン&美女のテラハ軍団がスマホをいじっていた。 近寄りがたいオーラがある。 ホーチミンの二の舞いにならぬよう無視するか? いや、逃げ癖は良くない。 この若者集団になんとか溶け込もうと思った。

テラスハウスことシティープレミアムゲストハウスのカフェテラス

俺 「こんにちは!」 イケメン若者① 「…こんちはッス」 俺 「みなさん、長いんですか? ここの宿」 イケメン若者① 「…僕は3日前からです。今、大学が冬休みなんで、勉強のためアジアでバックパッカーやってます」 イケメン若者② 「…あ、僕も3週間ほどバックパッカーしてます」 俺 「そちらの彼女は?」 若い美女 「私は大学の卒業旅行です。2週間ぐらいなので短いです」 なるほど。このときはまだ3月。 彼らは大学生で、今は卒業旅行シーズンでもある。 皆、人生経験を得ようと一人旅をしているらしい。 大学は皆バラバラだが、偏差値60を超える私立・国立の一流大学の頭がいい子が多く、出身は関西や地方の人がほとんどだ。 ちなみに、旅をしていて気づいたのだが 、海外で出会った日本人の出身地を比較すると、なぜか東京人が異様に少ない。 もしかすると都会は満ち足りていて、海外に出る必要性を感じないのかもしれない。 それに対し、関西人の比率は格段に高い。 日本の国際化の夜明けは、東京からではなく関西から始まる。 そんな機運をも感じるほどの西高東低ぶりだった。 その後、若者と今までどこを旅したか?など共通の旅の話題で盛り上がった。 彼らはケラケラとよく笑う。 目の奥がキラキラとしていて笑顔に屈託がない。 そういえば若い頃、こんな感じですぐに笑ったよな。 仕事でお笑い番組を作るようになって、やたら人や自分の笑いに厳しくなり、俺自身が心から笑うことを忘れてたかもしれない。 「よし、若者から屈託のない笑い方を学んでみよう」 こうして46歳のバツイチおじさんはカンボジアのシェムリアップでテラスハウスの一員になる決意をした。
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それから数日間、若者たちに混じり…
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1969年大分県生まれ。明治大学卒業後、IVSテレビ制作(株)のADとして日本テレビ「天才たけしの元気が出るテレビ!」の制作に参加。続いて「ザ!鉄腕!DASH!!」(日本テレビ)の立ち上げメンバーとなり、その後フリーのディレクターとして「ザ!世界仰天ニュース」(日本テレビ)「トリビアの泉」(フジテレビ)をチーフディレクターとして制作。2008年に映像制作会社「株式会社イマジネーション」を創設し、「マツケンサンバⅡ」のブレーン、「学べる!ニュースショー!」(テレビ朝日)「政治家と話そう」(Google)など数々の作品を手掛ける。離婚をきっかけにディレクターを休業し、世界一周に挑戦。その様子を「日刊SPA!」にて連載し人気を博した。現在は、映像制作だけでなく、YouTuber、ラジオ出演など、出演者としても多岐に渡り活動中。Youtubuチャンネル「Enjoy on the Earth 〜地球の遊び方〜」運営中
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