一人でいることをどう楽しむか?を描くエッセイ漫画が人気なワケ 【荻上チキ×清野とおるのファミレス対談】
評論家・荻上チキが『ゴハンスキー』(週刊SPA!にて連載中)も評判の漫画家・清野とおる氏を訪ねて北区赤羽へ。清野氏御用達のファミレスで漫画のこと、幼少期のことをつらつらと
チキ:最近、グルメ漫画って、いっぱい出てますよね。
清野:実は僕自身、あまり読まないんですよ。四六時中自分の作品を描いてると、空いた時間で人の漫画を読むのも楽しめなくて。自分は自分のやりたいことをやるだけですね。
チキ:グルメ漫画ってデフレ飯かリッチ飯で軸ができると思うんですが。その中で、『ゴハンスキー』は底辺ですよね、デフレ飯の。
清野:ド底辺ですね。もう、クソ漫画ですよ、本当にもう。
チキ:いや、デフレ飯エッセイ漫画の金字塔を打ち立てましたよ。
清野:食に特化したマンガの連載は初めてだったので、括りを設けずに、毎週、頭に浮かんだことを好き放題やってやろうって感じです。
チキ:グルメだけでなく、散歩、お酒に街モノと、今、エッセイ漫画・体験マンガが氾濫していますよね。かつては、『だめんずウォーカー』とか男女の恋愛に注目が集まっていた。今はカップルを前提とするんじゃなくて、一人で振る舞うことを前提としたエッセイがいっぱい出てきている印象です。『孤独のグルメ』も含め、一人をどう楽しむかを描くものが増えたなって感じがします。
清野:そういうのは、やっぱり一人で行動する人が読むんですかね。
チキ:一人でいる自分を肯定してくれる道具として、読まれるものが増えた気がしますね。
清野:共感ですかね。共感って最強ですもんね。
チキ:共感が一つと、変なエピソードトークって鉄板じゃないですか。こうした漫画も、友達から聞く感覚で疑似体験できるみたいなところはあるのかも。そういった作品が受けている感じがします。
清野:自分にはできないことをキャラクターがやってくれるみたいな。
1
2
|
『ゴハンスキー3』 グルメマンガの常識を覆す全27話を収録 ![]() |
|
『ゴハンスキー2 』 珍才マンガ家・清野とおるのノンフィクショングルメマンガ第2弾 ![]() |
![]() |
『週刊SPA!6/7号(5/31発売)』 表紙の人/ 岩田剛典(EXILE/三代目 J Soul Brothers) 電子雑誌版も発売中! 詳細・購入はこちらから ※バックナンバーもいつでも買って、すぐ読める! |
【関連キーワードから記事を探す】
立ち飲みおでん屋の恋【王子駅 ・平澤かまぼこ】/カツセマサヒコ
笑い声は、デバババ【中野駅・酒道場】/カツセマサヒコ
窪塚洋介を目指した先で【池袋駅・友誼食府】/カツセマサヒコ
冒険はしずかに始まる【押上駅 ・ 東京スカイツリー】/カツセマサヒコ
ドラマ『孤独のグルメ』原作者・久住昌之の最新食エッセイ 『麦ソーダの東京絵日記』発売決定!
「500円以内」で外食を楽しむなら“チェーン店のモーニング”一択。「おすすめの店」「初心者が行くべき時間帯」をプロが伝授
店舗数は5年で2倍…「おにぎり専門店ブーム」は淘汰フェーズに。喫茶店のコメダが参入も“強み”のボリューム感はいずこへ
ピザハットの“二郎系ピザ”「豚ハット」を実食。一口目で「思わず声を上げてしまった」理由
肉が1枚(約100g)で「3850円」のすき焼きを実食。日本人には“魅力的ではない”と思った理由【いきなりステーキ運営会社の新業態】
サイゼリヤには“ない”けど、ガストには“ある”ものとは。吉野家、ココイチをも凌駕…ガストが“使える店”に進化を遂げていた
グルメマンガの問題作!?『ゴハンスキー』完結記念・第1巻まるごと+最新5巻試し読みを大公開!
東京唯一の造り酒屋「小山酒造」廃業のショックを地元赤羽の漫画家・清野とおるが語る
思わずツバを飲み込んだ…あなたが思う“映画の「うまそーシーン」”を教えてください
実はこっそり変わっていた「ホッピーの瓶」。製造元に聞く、意外な反響とは?
一人でいることをどう楽しむか?を描くエッセイ漫画が人気なワケ 【荻上チキ×清野とおるのファミレス対談】
この記者は、他にもこんな記事を書いています