香山リカが「沖縄差別」を考えるため高江に向かった【中編】
高江での抗議活動は、この“任意の検問”など独自の小さな動きもたくさんあるが、メインはゲート前の座り込みだ。この目的は建設反対の意思表明もあるが、より実質的には建設に使う砂利を乗せたトラックの車列が現場に入るのを遅らせることにある。
ただ、座り込みだけで大きなトラックを止めることなどとてもできないので、最近は抗議の人たちの運転する自家用車を使っての活動も行われている。具体的にはノロノロ運転いわゆる牛歩戦術でトラックの搬入を遅らせたり、日によってはゲート前に何十台ものクルマを停めたり、といったスタイルだ。
よくこのクルマでの抗議活動で地元の人たちの生活にも支障が出ている、といった批判がツイッターなどに書き込まれることがあるが、トラックが通る県道70号を封鎖、規制して自家用車の通過を阻止しているのは警察側だ。そもそもその付近の交通量は非常に少なく、先の赤橋“任意の検問”などでももし地元の住民のクルマが来たときにはノーチェックで通していた。高江集落の人口は140人、抗議に参加している人たちも誰が地元住民で誰が作業員か、すぐにわかるのだ。
さて、砂利運搬のトラック隊列は午前10時ころに来ることが多いということで、私たちは先に走行していた人たちに合流、全部で10台ほどのクルマで車列を組んだ。とりあえずスピードを出しすぎない徐行運転で県道70号を行ったり来たりして砂利のトラックを待つ。トラックがやって来た時点で、牛歩戦術なのか停車させての阻止なのか、現場の状況で判断されるようだ。
ただ、その時点では作業員の到着さえ確認できず、防衛局の職員に「今日は工事ありますか?」などと確認しても答えてくれるはずはなく、トラックが本当に来るのかどうかもわからない。「どうなんだろう。いつまで往復を続ける?」などと運転者と話しながら走行しているうちに、どんどん警察や機動隊の車両が増えてきた。
道路が突然、封鎖されて機動隊車両が通過してまた解除といったことを繰り返すうちに、9時直前、ついに待っても待っても封鎖が解除されなくなった。「これから30分通過できません」といった説明もない。
クルマの中で気をもんでいるうち、10台ほどのクルマそれぞれのわきに機動隊員が3人ほど立ちはだかり、中をのぞいたりドアを開けさせないような動きをしたりする(写真3)。
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