雑学

11年間で22人を殺害した消防隊員・勝田清孝の知られざる素顔【大量殺人事件の系譜】

 女性5人、男性3人の計8人が殺害された異常な連続殺人。犯行が、11年間という長期にわたって継続されていたのも異例だ。しかもその間、凶悪な「殺人鬼」の足取りはまったくつかめていなかった――。同時にこの殺人は、戦後日本の高度成長期を象徴するような事件だった。

勝田清孝連続殺人事件(1972~1983年)大量殺人事件の系譜~第10回~


消防隊員

※写真はイメージです

 1983(昭和58)年1月、勝田清孝(当時34歳)は名古屋市内の銀行駐車場で、会社社長を拳銃で脅しカネを奪い取ろうとしたが、逆に、社長に取り押さえられ逮捕された。これをきっかけに、恐るべき凶悪事件の全貌が明らかになっていく。重い口を開いた勝田は、11年前の殺人をはじめ、計8件の殺人を自供する。事態は一気に、前代未聞の連続殺人へと発展した。

 時系列に沿って見ていこう。

 1948(昭和23)年、京都府の農家に生まれた勝田は、高校2年のときひったくりで少年院送りとなり、高校を退学。その後、トラック運転手などを経て、22歳のとき、周囲の反対を押し切って隣町の女性と結婚した。1972(昭和47)年には、地元で消防士として採用される。2年後には副士長に、さらにその2年後に消防士長に昇進するなど、仕事ぶりは真面目で優秀、将来の幹部候補だった。

 安定した生活を手に入れたように見えるが、一方で勝田は、分不相応なところがあった。時あたかも高度成長期。車社会が到来し、世の中の暮らしぶりは便利で贅沢になりつつあった。「消費は美徳」といわれていた時代である。勝田は虚栄心からなのか、豪華なマンションに移り、派手に飲み歩き、カッコよく高級スポーツカーを乗り回す。やがて、愛人もできた。

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日中は優秀な消防隊員、夜は強盗殺人犯

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