『とと姉ちゃん』で注目の新進女優・趣里「人生を季節に例えるなら“秋”かな?」
2011年のTBS系ドラマ『3年B組金八先生・ファイナル「最後の贈る言葉」』でデビューし、今年はNHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』に出演するなど、一見すると、女優として着実に階段を上ってきたように思える趣里。しかし、現在までの道のりは一筋縄ではなかったという。
――福間健二監督の映画『秋の理由』が10月29日より公開になりました。本作は作家と編集者の物語ですが、趣里さんはご自身の人生で影響を受けた本はありますか?
趣里:『ダニーと紺碧の海』という海外の戯曲があって、まだ演技のレッスンをしているときに、そのワンシーンを演じたんです。それで全部読んでみたら、本当に面白かった。男女の二人芝居なんですが、いろんな感情になって、憧れというか「いつか、これをやってみたいな」とずっと思ってます。当時は19歳くらいだったんですが、その役の女性が30歳くらいなので、人の痛みや苦しみがわかる、それをいつか表現できる人になりたいです。
――映画『秋の理由』の主人公の作家はスランプに陥り、声が出なくなります。趣里さんは、現在に至るまでに苦しかったことや、挫けそうになった経験はありますか?
趣里:挫折や苦しかった経験はたくさんあります。もともと4歳からずっとバレエをやっていたんですけど、ケガをして、そのバレエをやめざるを得なくなってしまった。バレエダンサーに自分はなるものだとずっと思って生きてきたので、自分の置かれている現実と向き合うことができませんでした。イギリスに留学していたんですけど、骨折とアキレス腱を切ってしまい……。もう生活の一部だったし、当たり前のように「バレリーナになる。海外でやろう」と思っていたので、それはきつかったですね。お医者さんに前みたいには踊れないと言われたので。やるとしたら、目標はそこだったので、海外でやることは難しいなっていうことで帰国しました。
――そこが、女優として活動される分岐点になったんですね。
趣里:踊れないなら、辞めるしかない。他にやりたいこともないですし、まず、気持ちを切り換えられなくて。それでとりあえず大学にも行ったんです。でも、やりたいことがないから、どうしていいかわからない。それでも生きなきゃいけないという日々が続いて。どうしても自分は表現していたかった。それで、お芝居のレッスンを受けてみることになり、今は亡くなられてしまった塩屋俊さんの演技学校「アクターズクリニック」で学び始めました。そうしたら、とってもよくて、もう一度、自分が向き合えるものに出会えたんです。塩屋さんは「いろいろ大変だけど、趣里は大丈夫だから。ぜひ芝居の道を進んでほしい」と背中を押してくださったので、一歩を踏み出すことができました。すごく感謝していますね。
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――映画のタイトルは『秋の理由』ですが、今の趣里さんの人生を季節に例えるなら、春夏秋冬のうちどれですか?
趣里:若く見られるんですけど、もう今年で26歳になるので、秋かな? 気持ちも少し落ち着いてきましたね。自分にできることがあればやりたいし、上は目指していきたいですけど、いろんな人がいるから「自分は自分。焦ることもないな」と思っています。結局は出会いなので。誰かと出会って、その中で自分がいいものを出せるようになれればいいですね。誕生日が9月で、好きな季節も秋です。暑いのも苦手だし、寒いのも苦手だし、春は花粉症があるから(笑)。


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