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「日本の貧困はかなり切迫した状態」フォトジャーナリスト安田菜津紀

 日本の貧困は、ある意味で東南アジアよりも悲惨。そこから脱却するには「教育への投資」と「ハウジングファースト」が重要だ。 「世界的にも日本は教育への公的投資が圧倒的に少なく、2つの弊害を生み出しています。一つは、貧しい子どもが高等教育を受けられず、貧困の連鎖を断ち切れないこと。もう一つは貧困への理解や当事者意識が根づかず、排他的な社会を生み出していること。『ハウジングファースト』とは、そんな社会で傷ついた心のケアに繋がる社会保障のあり方。単なる経済的支援ではなく、安定した住居を提供することで、再出発のモチベーションを育むのです」  生活保護で食い繋げたとしても、「自分は落伍者」という意識を拭い切れなければ社会復帰は難しい。 「長らく孤立し、心身の問題を抱える人の中には、施設での集団生活が難しく、再び脱落してしまう人もいます。ですから、人間らしい家で体と心を癒し、自尊心を取り戻すことで、再出発できる居場所を見つけていくことが大切。最低限そのくらいの受け皿がある社会になれば、誰もが貧困のリスクに怯えながら暮らすような切迫感は取り除かれると思います」  教育と心の保障こそ、貧困の連鎖を断ち切る特効薬となるのだ。 【安田菜津紀氏】 フォトジャーナリスト。カンボジアや東南アジア、中東、アフリカ、日本で貧困や災害を取材。著書に『君とまた、あの場所へ シリア難民の明日』(新潮社) 取材・文/貧困の未来SPA!特別取材班 ― 日本型貧困の未来 ―
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