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「日本の貧困はかなり切迫した状態」フォトジャーナリスト安田菜津紀

 安倍首相は「相対的貧困率は大きく改善した」と語り、波紋が広がっている。空前の株高に見舞われた’16年末の日本経済。しかし、最新データによれば所得格差は過去最高水準に達し、子どもの貧困率は16.3%と高い数値を示す。日本で確実に増え続ける生活困窮者。彼らが跋扈する日本の未来にはいったい何が待っているのか?

“心の再出発”こそが貧困脱出の第一歩

安田菜津紀氏

安田菜津紀氏(c)Rie Nagata

 日本は先進国なのだから、貧困は自己責任――。そう切り捨てるのは危険だ。世界の貧困と向き合うフォトジャーナリストの安田菜津紀氏は「日本の貧困はかなり切迫した状態」と警鐘を鳴らす。 「介護やリストラ、災害など、誰しも貧困に陥る可能性があるのに、そこから抜け出すハードルが極めて高いのが今の日本。家庭や田舎といったコミュニティは弱体化し、社会福祉制度は形式的なものもあり、必ずしも再出発への意欲を促す形になっていない。その結果、貧困が孤立や絶望を生み出し、奈落の底へ落ちていく。一方、世界には貧困が深刻でも、カンボジアのように家族、近隣との助け合いの文化が残っている地域も多く、絶望感は抱きにくいのです」
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「教育への投資」と「ハウジングファースト」が重要
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