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父は蒸発、母のDV…貧困と虐待から逃れるため非行に走った少女のその後

 貧困で苦しむ若者は、パッと見ただけではその困窮ぶりがわからない人が多い。今、彼らのSOSをくみ取るためには何が必要なのか?

反貧困活動

※写真はイメージです

壮絶な虐待を生き抜いた女性が反貧困活動をする理由とは?


「非行に走る子供に、『なんでこんなことしたの』って責めても反発を招くだけ。家庭環境とか、親の状況を含めて変えていかないと……」

 そう話すのは、複雑な家庭環境で苦しむ子供や若者に対し、SNSでの相談受け付けや講演を行っている岡田美咲さん(仮名・23歳)だ。彼女がそんな思いに至ったのには理由がある。彼女自身が壮絶な貧困生活と虐待から逃れ、非行に走った当事者だからだ。

 生まれは東京都港区。両親と姉の4人家族だったが「恐らく父は“その筋の人”だった」と回想する。

「母は昔からお金に執着の強い人で、父は借金してでもお金を渡していたみたい。私は母から虐待を受けてて、ベランダから吊るされたり、お湯を耳に入れられて左耳は完全に聞こえなくなりました」

 5歳で借金を抱えた父親が蒸発。その後、彼女は母親と姉と3人で生活保護での生活を始めた。しかし同時に虐待はエスカレートし、家のお金の大半は母親の薬物代と酒代に消えていったという。

 そんな家庭環境が原因で、小学校でも友達とうまく馴染むことができない。彼女が自分の家庭の異常性に気づいたのもその頃だった。

「友達の家に行ったらお菓子が普通に出てきて。でもウチはご飯もないし、母は常に酔っぱらってクスリと酒の空き瓶がそこら中に転がってる。誰かと比較できるようになって、ますます荒れていった」

 小学6年生のとき、あまりの空腹でご飯をねだった彼女に対し、母親が薬物を勧めてきたという。

「『これを吸えばお腹が空かない』って、母に言われるがまま手を出しました。悪いなんて認識は全然なくて、むしろ生きるためにクスリをやっていた感じだったと思う」

 家を避け始めた小6の彼女は彼氏の家に入り浸るようになった。そして安易な性行為で子供を身籠もり「妊娠したのに全然気づかないままトイレで流産した」という。

「それがきっかけで完全におかしくなって。こんな状況は全部母親のせいだって、今度は私が包丁を振り回すようになっていました。殺してやる!って。それを見たお姉ちゃんが警察に連絡して、施設に入ることになったんです」

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グループホームで「現在の母」と出会う

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