更新日:2022年08月21日 12:50
スポーツ

海外では大人気なのに日本では…。知られざるハンドボールの魅力

 たまたまなのでしょうが、この試合自体も「神試合」ともいえる展開で、大変面白いものでした。男子決勝は激しく得点が動くシーソーゲームとなり、試合時間残り42秒で再び同点に並び、延長戦にまでもつれ込む熱戦に。5分ハーフの延長戦に入っても互角の攻防がつづきますが、残り時間44秒でトヨタ車体が「7メートルスロー」を獲得し、勝利を引き寄せます。  7メートルスローは重い反則を受けた際などに与えられる、サッカーのPKのようなもの。ゴールまで7メートルの位置からゴールキーパーと1対1でシュートを撃てるビッグチャンスです。サッカーのPKのようなものですから、これはもうトヨタ車体の勝ちだろう…と思ったもの。  しかし、これを大崎電気のゴールキーパーがビッグセーブで防ぎ、そこからの反撃で試合時間残り8秒で大崎電気が勝ち越し決勝点を挙げるという激的な展開には、見ているコチラまで大興奮となり、祝福の紙テープが乱れ飛ぶわ、われんばかりの大歓声があがるわ大騒ぎです。選手たちが抱き合い、飛び跳ね大喜びするなかで、大崎電気の監督がベンチ前でバターンと倒れたまま動かなくなるという珍事も生まれましたが。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1282304
海外では大人気なのに日本では…。知られざるハンドボールの魅力

試合終了の瞬間、喜ぶ選手たちの奥のほうで、死体みたいに地面に転がる監督の足が……

祝福の紙テープが舞う、舞台イベントか何かのような雰囲気も

 ハンドボールは日本における実績だったり代表の活躍がないことをのぞけば、すでに「準備は整っている」状態でした。  試合自体も面白く、運営もしっかりしており、お客もホットです。2020年東京五輪で国立代々木競技場第一体育館を使うことで、「アラ、ハンドなら見られるのね」という人たちに出会いのチャンスが生まれたら、もっともっと大きくなれる存在だと感じました。今すでに集っている女子が「ハンド女子」などと呼ばれ、ブーム化していく未来さえも想像させるほどに。  「何でもいいけど、どうせなら面白いのを見たい」という方には、とてもオススメできる競技ではないでしょうか。  海外で人気が高いということで外国からの観戦客なども多く集まれば、五輪感も強まりますし。ハンドボール界・一世一代の大チャンス、ぜひ活かしてもらいたいものです。  これが最後の五輪出場となるかもしれませんからね!
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※フモフモ編集長の「今から始める2020年東京五輪“観戦穴場競技”探訪」第1回~の全バックナンバーはこちら

自由すぎるオリンピック観戦術

スポーツイベントがあるごとに、世間をアッと言わせるコラムを書き続ける、スポーツ観戦ブログ『フモフモコラム』の中のひとによるオリンピック観戦本

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