木村拓哉が明かす『無限の住人』の舞台裏「制限なしで爆発できる場があってバランスが保てた部分はあります」
4月29日公開の映画『無限の住人』で不死身の侍を演じる木村拓哉。三池崇史監督の直々のオファーによってこの超ド級アクション巨編に挑み、“役者・木村拓哉”として新たなる一面を見せている。2017年から新たな道を歩み始めた彼が、その道の先に見据えているものとは?
――意外にも三池監督との初タッグでしたが、いかがでしたか?
木村:もっと早くお会いしたかったなって、正直思いました。監督は当時出演していたFNS歌謡祭の会場に来てくれてオファーを受けました。そんな特殊な場に、三池崇史っていう人がドーンと現れて、僕も相当構えていました。監督に後で「趣味、威嚇でしょ?」って言われるくらい構えましたね。そのとき監督は少し色の入った眼鏡をかけられていたんですけど、その眼鏡の奥に、ちゃんとこう、監督として責任を果たしてきた方の目っていうのがあった。だから「ああ、この人を信じたいな」っていう思いになって、「よろしくお願いします」っていう言葉を返しました。で、その後に漫画を大人買いして読んだわけですが、「とんでもない返事しちゃったな」と(笑)。
――どんなところがとんでもないと思ったんでしょうか?
木村:(原作者の)沙村ワールドが、もう漫画の時点で完成されているじゃないですか。「沙村さんが描かれた世界観をどういうふうに具現化すりゃいいんだろう?」って。自分が表現するのは万次の心情であったり、動きやスピードであったり、痛みであったりするんですけどね。もちろん外見に関してはプロフェッショナルな方たちにお任せしました。クランクインの際、三池監督がいる現場に「おはようございます」って入っていったときに、監督が一言、「ああ、万次だ」っていうふうに言ってくれて。そこからはもう、クランクアップの瞬間までずっと万次でいることができました。
――三池監督は別のインタビューで、「出会うことの強さを、木村拓哉と万次に感じる」と語っていました。
木村:はい。あとは、杉咲花さんが演じてくださった凜の存在がものすごく大きいです。万次は、決して剣に長けた人間ではないので、実はめっちゃ弱いんです(笑)。八百比丘尼(やおびくに)のババアに蟲を入れられたことで、不死身になっただけ。おかげでとんでもない長い時間を生きてはいるんだけど、剣を手にする身として、ずっとどこかで答えを出せてない男だったんじゃないかと、台本を読みながら思ったんです。そこに凜が現れて、最終的に万次が生きる理由というか、答えみたいなものが出せたんじゃないかなぁって。だから凜をしっかり感じることで自ずと答えが出てくる。撮影中は、そういう作業を繰り返していましたね、ずっと。
――木村さんは、’03年に出されたエッセイ集でも「自分は出会いに恵まれている」と何度も繰り返していました。今回の映画でもやはり、万次と同じように出会いによって生きる意味を見いだしたり、強くなったりする“等身大の木村拓哉”がいたのでしょうか。
木村:作品には一切関係ないんですけど、撮影中は万次をやるベースの自分が非常にゴタゴタしていた時期だったので、なんかこう、制限なしで爆発できる場があってバランスが保てた部分はありますね。
※このインタビューは4/4発売の週刊SPA!のインタビュー連載『エッジな人々』から一部抜粋したものです
【木村拓哉】
’72年、東京都出身。’88年にジャニーズ事務所に入所。ドラマや映画で主演を務めること多数。近作のドラマは『A LIFE~愛しき人~』(’17年、TBS系)、『アイムホーム』(’15年、テレビ朝日)。近作の映画は『SPACE BATTLESHIP ヤマト』(’10年公開)など
取材・文/高野麻衣

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