深夜にヒッソリと行われた「首都高の地味な実験」に首都高研究家も思わず感嘆した理由
―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―
3月29日の19時から翌5時にかけて、首都高浜崎橋JCTにて、“可変式路面表示”なる地味な試験が行われた。
可変式路面表示とは、合流部手前において路面表示を可変で切り替え、交通需要に合わせた車線運用を行うもの。今回の試験は、交通量の少ない夜、両方向の車線を可変式路面表示によって1車線で運用することにより、スムーズな合流が可能になるかを確認するものだった。
⇒【画像】はコチラ(実験概要について) https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1314237
“可変”の方法は、LED投光器で路面に矢印の光を浮き上がらせ、合流前に2車線を1車線に絞る。実際には矢印を無視して走り続けることも可能だし、交通違反ではないが、ドライバーの習性として矢印表示には従うものなので、誘導はできる理屈だ。
ひと晩だけの試験なので、次いつ見られるかわからない。首都高研究家としては見逃すわけにも行かず、実際走りに行ってみた。
C1外回りを銀座方面から浜崎橋JCTに向かい、谷町方面へ右にカーブすると、その先の左車線路面に、大きな白色の矢印が3本浮き上がっていた。一見通常の路面ペイントにも見えるが、ペイントの矢印よりもサイズが大きく、一部車線からはみ出しており、思わず「おお!」と声が漏れた。
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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