拡幅工事や新規ICができても「全国最悪の渋滞ポイント・大和トンネル」の渋滞解消がほど遠いのはなぜ?
―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―
神奈川県内の東名高速道路「大和トンネル」と言えば、全国最悪の渋滞ポイントとして名高いが、数か月前から拡幅工事が本格化し、トンネル前後の車線が若干蛇行するように変更され、「大和トンネル 拡がります」との横断幕が掲げられている。それを見て、「ついに大和トンネル渋滞が解消するのかな?」と思ったドライバーは少なくないだろう。
大和トンネルに関しては、昨年6月に「ピンポイント渋滞対策」が正式決定し、東京オリンピックまでの運用開始を目指して、付加車線の建設工事が始まっている。その手法は、路肩を狭くすると同時に1車線の幅を25cmずつ狭くすることで、もう1車線分の幅をひねり出すもので、他の区間ではすでに大いに効果を上げている。
ただし付加車線が設置されるのは、資料の図のようにトンネル前後の上り車線は4km、下り車線は合計5.5kmのみ。これが完成しても、拡幅部はまだら(凸凹)になるため、効果は限定的だと私は予想していた。
⇒【資料】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1306331
ちなみに大和トンネルは厚木基地の滑走路直下の「フタ」。ここは路肩の余裕が足りないため、トンネル幅を上下線とも1mずつ広げる工事を実施する。一方、大和トンネルの数km西側では、綾瀬スマートICの建設も始まっていて、こちらは2017年度中つまり約1年後に完成する予定だ。
「横浜町田ICと厚木ICの間は約15km離れており、その間に位置する綾瀬市などからアクセスしにくい状況にあります。両インターチェンジの中間にインターチェンジを建設することは、以前から市民の願いでした」(綾瀬市役所都市建設部)
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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