深夜にヒッソリと行われた「首都高の地味な実験」に首都高研究家も思わず感嘆した理由
こういった可変式の車線誘導を、専門用語で「可変チャンネリゼーション」と言う。時間帯によって車線運用を変えることで、渋滞対策としても使えるはずだが、今回の試験はLED投光器によるもの。渋滞の激しい昼間の使用は無理だろうか?
そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中。清水草一.com1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
「事前に確認しましたが、昼間は見えません。よって今回の試験は渋滞対策ではなく、安全対策として有効かどうかを確認するものです」(首都高速道路株式会社 快適走行推進課)
夜間は交通量が減り、走行速度が上昇する。合流部手前で車線を絞っておいた方が確かに安全。しかし首都高と言えば、最大の問題は渋滞だ。もともと可変チャンネリゼーションは、渋滞対策の一手法として考えられていたはずだが……。
「いずれは渋滞対策として活用したいとは考えていますが、技術的な具体案はまだない状況です」(同)
具体案は、たとえばLEDランプを路面に埋め込むなどが考えられるが、安全性等が未知数で実用化は見えていない。ただ、設置場所は江北JCT上り方向の合流部などを考えているとのこと。12年前の民営化以降、首都高はこういった前衛的?な渋滞対策にも前向きになった。エスコートライト(LEDランプの光を動かすことで渋滞を緩和する装置。3号線下り池尻入口付近等に設置)はその好例だ。高速道路マニアとしては、効果がそれほど大きくなくても、こういった努力そのものに萌える部分がある。
首都高は、日本の高速道路の渋滞の半分を占める渋滞のメッカ。今後も続々と前衛的な渋滞対策の新兵器を導入して、ドライバーの心を和ませてほしいものだ。
取材・文・写真/清水草一(道路交通ジャーナリスト)
【清水草一】
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『1
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