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ザリガニを捕まえて食べたら、意外とインスタ映えした

ザリガニを調理して食べる

 ザリガニでいっぱいになったバケツを手に、玉置さんの知人宅へ移動。捕まえたら、食べる。いよいよザリガニの調理である。そこに事情もよく知らされずに呼び出された料理人は「ザリガニは初めて調理するのでどうなるかわかりませんけど……」と苦笑いしながらキッチンに立った。  まずはオーソドックスに、ザリガニの味を生かす「茹でザリガニ」だ。

ごめん!

「2~3日、水に浸してドロ抜きをし、さらにお酒にひと晩浸けると独特の臭みも取れていいと思います。あとは『ごめん!』と沸騰したお湯に入れて、ザリガニがさらに赤くなるのを待つのみです」(料理人)

茹でザリガニ。なかなかのインスタ映え。

 続いて「ザリガニ炒め」。 「バターとにんにく、醤油で炒めて、鷹の爪で香りづけします。ついでにゴーヤも入れてみました」(料理人)

緑色が入るだけで料理らしくなる。

 最後に「ザリガニパスタ」。ちなみに麺は玉置さんのお手製である。 「レトルトのミートソースにナスとトマトを加えて、そこにザリガニを投入します。色合いも兼ねてパクチーを乗せてみました」(料理人)

「ザリガニパスタ」。ザリガニの赤みがパスタを引き立たせる。

 次々と運ばれてくるザリガニを食べてみる。うまい。懐かしい。ドロ抜きを短時間で済ませたためか、ものによっては臭さも残っていたが許容範囲内。見た目以外は完全にエビであった。「炒め」や「パスタ」のような味付けをすれば臭みを感じることはもうなく、“素人”にもオススメである。ロブスターはいまだ食べたことがないけれど、私は父のように「ザリガニはロブスターよりうまい」と言い続けようと思う。

ザリガニの殻はエビのそれと比べると硬い。注意してほしい。

 毎日朝から晩まで忙しく働く我々大人は「食」を楽しむことを忘れがちだ。休日くらい寝ていたい。けれど、この「捕まえて、食べる」行為は、食べることの楽しさを思い起こさせてくれると同時に、捕まえることで童心に返るというおまけまでついてくる。 「捕まえて食べることの目標は“成果”を上げることではなくて、いかに己の胸を高鳴らせるか、です。一人でもいいし、誰かとパーティを組んでもいい。一生の記憶に残るような冒険に出てみてはいかがでしょうか」(玉置氏)

捕まえた瞬間、誰もが笑顔に。

 捕まえて楽しい。食べて楽しい。日々に忙殺された大人にこそオススメしたい“一日中楽しめる”趣味である。 ……あっ! ザリガニ七輪で焼くの忘れてた! 【玉置標本】 たまおき・ひょうほん●’76年、埼玉県生まれ。フリーライター。週に一度は天然物を捕まえて食べる食物採取の趣味人。製麺機を使った麺作りにもハマっており、同人誌『趣味の製麺』を不定期刊行中。 取材・文/日刊SPA!編集部
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